PwCコンサルティングってどんな会社?評判から仕事内容、採用情報、年収、待遇まで徹底研究!

今回はPwCコンサルティングを徹底研究します。

PwCコンサルティングの母体はオランダのベリングポイントというコンサルティングファームで、2009年にPwCアドバイザリーと統合され今に至ります。

PwCというグローバルブランドの配下には、監査法人(あらた監査法人)、税理士法人、弁護士法人などがあり、PwCコンサルティングはそれらエンティティの一つです。コンサルティングだけでなく色々なサービスラインが統合されているのがPwCで、ここがアクセンチュアなど競合他社にはない差別化ポイントになります。

就活生に人気のPwCコンサルティングは一旦どんな会社なのか?詳しく解説していきます。

PwCコンサルティングってどんな会社?

幅広いサービスライン

PwCコンサルティングの社員は約3,000人となっており、Big 4の中ではデロイトに続き2番目の規模の会社になります。

組織は他のコンサルティングファームと同様に、インダストリー毎のチームとソリューション毎のチームのマトリックス型の組織になっています。インダストリーとは業界のことで、製造業、自動車、金融、公共など、ソリューションがサービスラインで、ストラテジー(戦略)、マネジメント(組織、人事、オペレーション、など)、テクノロジー(セキュリティ、アナリティクス、クラウド、など)、エクスペリエンス(サービスデザイン、など)になります。

監査法人などグループ内の共同プロジェクトが多い

PwCは業界大手のあらた監査法人をグループ会社に持っていることもあり、監査チームとの共同プロジェクトが多いです。

監査側からコンサルタントを入れますといった案件があったり、またその逆や、また監査だけでなく税理士を入れるなど、グループ内のエンティティをまたがった案件も沢山あります。幅広いサービスラインを持つPwCならではの特徴かと思います。

共同プロジェクトの具体例としては、例えば、自動車メーカーのITコンサルティングを行っていると、電気自動車の特定の制度が発表され、税金の優遇措置があることがわかると、内容をクライアントに紹介して税理士法人から支援サービスを提供する、といったケースです。

中にはクライアントから利用できる制度について問合せを受けることもあります。これはPwCが監査法人や税理士法人を抱え、そういった領域に強いことをクライアントが認識しているので発生する案件のパターンで、アクセンチュアなどほぼ戦略とITしか事業領域を持っていないファームや、専門チームを持たないファームでは起こり得ない現象です。

クライアントの担当部署も異なることから、上記のように案件を紹介して終わりのケースが多いですが、中には他のエンティティと一緒にプロジェクトを組成することもあります。例えば、監査を行っている中でフォレンジック(不正検知)系のサービスやシステムを導入するために案件化するケースです。

テクノロジーコンサルが強い

ITソリューションという観点では、多くのファームが色々なサービスラインを持っています。たとえばアクセンチュアは規模も大きく、SAPの導入やSI、BPOまで幅広いですが、それと比較するとPwCのITコンサルティングはテクノロジーに強みを持っています。

テクノロジーコンサルティングでは、データ・アナリティクスやサイバーセキュリティ、その他の先端技術を活用したコンサルティングやサービスを提供しています。PwCはテクノロジーコンサルの幅が広いことが特徴です。

実際、社内的にも部署が分かれており、テクノロジーコンサルに入りたい場合には社内異動ではなく職種別採用になります。併願ができる仕組みになっており、ある部署では採用だったが他の部署では落ちたということも頻繁に起こります。そのくらい、各部署の専門性が高く、適正判断が重要ということになります。

PwCコンサルティングの強み、弱み、展望

PwCの強みは専門性が高いコンサルティング

PwCコンサルティングの強みは、その専門性の高さです。いわゆるITコンサルティングやシステムインテグレーションといった領域では、規模の大きなアクセンチュアに軍配が上がりますが、より専門性を必要とするサイバーセキュリティやプライバシー関連のソリューションについては、PwCが強いです。

それを支えているのは業界や法制度の深い理解です。最近では個人情報保護が強く叫ばれるようになってきましたが、毎年のように変化する法令に対し、法律がこのように変わったのでシステムとしてはこのように変更すべきだといったアドバイスや、監査法人の知見をもとにしたフォレンジックやインシデント・レスポンスといった領域は、PwCの最も得意とするサービスです。

大規模開発、システムインテグレーションは不得意

一方で、大規模なシステム導入といったプロジェクトについては、他社に対しては遅れを取っています。

PwCはグループ内に開発部隊を持っておらず、エンジニアリングはほぼ外注によりまかなっています。それによって、案件の実行スピードや価格面での競争には、どうしても負けてしまいます。

PwCの事業展望は?

Big 4の中ではデロイトに続き2番目の規模のファームですので、やはりデロイトを抜いて1番になりたいということはあるようですが、事業展望としての戦略については明確なものが出ていないようです。

競合会社ではアクセンチュアの戦略は非常にわかりやすく、とにかく人を増やしてシステムのデリバリーやBPOを拡大させるという戦略です。デロイトもグループ内に開発会社を抱え、これに追随する形をとっています。

ではPwCはどうかというと、あらた監査法人など業界内で高い認知度を誇り競争力の強いサービスを持っていますが、今後の展望という意味では、明確な指針が出ていないように感じます。監査法人ではデロイトと大きな差はありませんが、コンサルティングでは大きな差があります。

とりあえずは現状の強みを維持しながら、他社に真似できないような専門性を突き詰めていく、という方針なのでしょうか。ここはOB訪問などでもしっかり確認したいポイントです。

PwCコンサルティングの働きがいと成長機会

コンサルタントの仕事とは?

働きがいを考えるにあたってまず大切なことは、特にコンサルタントになりたいという人は、それぞれの会社に入った後、実際にどんな仕事をすることになるのか、明確に確認することです。

というのも、アクセンチュア、デロイト、その他大手のコンサルティングファームの多くは、もとは会計ファームであったり戦略ファームであったり、特定の専門知識や業界の知見を用いてクライアントの課題解決や思考整理をするという、世間で一般に認知されている「コンサルティング」から始まったわけですが、どうやって拡大したかを見ると、コンサルティングの後の「ソリューション」や「デリバリー(推進、実行)」がメインになっていることが多いです。

これには、時代背景が密接に関わっています。やはりインターネットの登場で時代が変わったと考えていますが、インターネット前は正しい情報を得ることが難しかったので、特定の知見を持ったコンサルタントが活躍できました。インターネット後、つまり現代においては、知識の獲得にはさほど大きな労力を要しなくなったため、それを具体的に実行することに比重が置かれています。

また、そもそも事業戦略や社運のかかった上流の検討を、社外のリソースにゆだねて良いのか?という問題提起もあります。長期的に安定した経営を続けていくためには、事業を考える戦略部隊を社内に抱えるべきだというトレンドもあり、戦略コンサル外しやヘッドハンティングが流行った時期がありました。

そういった背景もあり、世間では未だに「コンサルティング」と呼ばれていても、その仕事内容が案件によって大きく変わってきていることに注意です。

PwCにおけるコンサルタントの仕事とは?

その点、アクセンチュアやデロイトに入ると、ソリューションやデリバリーに関する仕事が多いので、純粋なコンサルティングをやりたいと思っても、そういったキャリアにならない可能性が出てきます。

特にアクセンチュアはBPO部隊もいますので、純粋なコンサルティングとはかけ離れて来ています。

一方でPwCでは、明確にシステムの実装領域までには踏み込まないと宣言していることもあり、比較的安心してコンサルタントとしてのキャリアを歩みやすいということがあります。コンサルタントになりたいと思って入って、実際にはSIプロジェクトの総合テストばかりやらされたら、ミスマッチもいいところです。

ですので、働きがいを考える際は、自分の志向と会社の事業が合致しているかを必ず確認すべきと考えます。その上で、世間一般に言われるコンサルタントになりたい、ということであれば、PwCは比較的おすすめできます。

PwCコンサルティングのワークライフバランス

コンサルティングファームはクライアントワークですので、コミットメントが求められ、繁忙期があったり業務の波があることはまず前提にあります。

その上で、PwCは、スタッフの勤怠管理や残業時間を気にし始めて来ているようです。

アクセンチュアほどガチガチの管理ではないと思われますが、平均的には50~60時間程度の残業時間ではないかと言われたりしています。イメージとしては、9時に出社して、退社は18~19時頃、遅い日は22時、という感じでしょうか。

上記はマネージャー未満のスタッフの人たちの場合で、マネージャーになるともっとコミットメントが強く求められるようになってきます。

PwCコンサルティングの入社理由と退職理由

新卒の入社理由

入社理由として多いのはコンサルタントになりたいから、のようですが、その中でも敢えてPwCを選ぶ理由には意外なものがあります。それは、競合に比べて「採用数が少ないから」です。

アクセンチュアは特に比較対象にあがりますが、アクセンチュアは大量採用です。つまり間口が広いということですので、入ってから関わるプロジェクトも、入る人たちも、よくも悪くもピンきりということがあります。

一方でPwCは採用数はある程度絞っているので、選ばれている感じがする、というものです。

実際のところ、入ってから関われる可能性のある仕事はアクセンチュアの方が幅広いです。会社としても、アクセンチュアの方が競争力は高いです。ですが、個人にとってみると、それをどう考えるかということになります。幅広い仕事をしてジェネラリストになるのか、特定の領域を深めてスペシャリストになるのか、ということにも関わります。

別の観点として、関わるプロジェクトのサイクルの問題があります。アクセンチュアの場合は、SIなど長期間のプロジェクトも多いです。一方でPwCはSI案件の比率が低くコンサル案件の割合が大きいので、短期間のプロジェクトが多いです。そのため、もし自分の適正が違うと思ったときに、サイコロを振り直してリカバリを行う機会というのは比較的多く訪れます。

中途の入社理由

中途採用枠でPwCに入ってくる人は非常に幅広く、第2新卒といった若いレイヤーで入る人もいれば、SIerで経験を積んで入ってくる人も多いです。他にも、スタートアップ系の子会社に入ったけど合わないからコンサルになりたいという人、その他一般の事業会社から来る人もいます。

中途入社の場合、だいたい共通している理由は、コンサルタントになりたい、というものと、給料が高い、という2点になります。

退社理由

上記のように、かなり幅広く採用しているということもあり、ミスマッチはかなり頻繁に起きてしまいます。

本人の志向と仕事の内容にミスマッチがあったり、コンサルタントという仕事の要求レベルにどうしても達することが難しいケースも多いようです。

PwCコンサルティングの年収と待遇

PwCの年収ですが、新卒で入ると500万円~600万円あたりの年収になります。

その後、シニアアソシエイトに昇格すると700万円後半~900万円付近、更にマネージャーになると約1,100万円~という形です。シニアマネージャーは1,500万円~程ですので、大体他のコンサルティングファームと共通の給与レンジになっています。

まとめ(ズバリ!PwCコンサルティングのオススメ度)

それでは最後に、ズバリ!独断と偏見によるオススメ度ですが、PwCコンサルティングは「技術特化型のコンサルタントになりたいなら超オススメ」ということになります。

仕事の内容からソリューションやデリバリー、インプリといった仕事の割合が少ないので、SIerなどと併願する企業にはなりにくいでしょう。純粋にコンサルタントになりたい人にオススメの会社です。

その中でも、PwCの強みであるテクノロジーコンサルティングや、監査関連のプロジェクトに関わることができるなら、今後も市場価値の落ちにくいキャリアが築けるでしょう。特に、サイバーセキュリティといった分野は、日本において精通している会社というのがそもそも少ないです。転職マーケットでも、少しサイバーセキュリティやってましたと書くと、すぐにヘッドハンターが探しに来るようなレベルです。

現在、ロシアとウクライナが交戦中ですが、サイバー空間における戦争も増えてくると思われます。何よりサイバーセキュリティは会社が儲かっていなくても投資せざるを得ない領域になりますので、営業もしやすく、クライアントの説得も比較的容易な分野です。事件や事故はつきないですが、供給が足りていないエリアなので、キャリアの軸としては非常に良いと考えます。

サイバーセキュリティ以外でも、日本でSIerは玉石混交ですが、先端技術に関わっている人は案外少ないので、特定の技術とコンサルティングの知見を高められるPwCは、そういったキャリア志向を持っている人にはオススメです。

同じくBig 4で競合のデロイトトーマツコンサルティングについても詳しくまとめていますので、読み比べて色々研究してみてください。

デロイトトーマツコンサルティングってどんな会社?評判から仕事内容、採用情報、年収、待遇まで徹底研究!

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