皆さん、こんにちは!
ここでは、採用面接をクリアするためには何をするべきか?についてお話します。
IT系企業を受ける場合でも、多くは業界に依らない共通の対策が有効です。具体的には、面接対策はそのフェーズごとに、
- エントリーシートを提出するまでにすること
- 面接が決まってから面接日の前日までにすること
- 面接の直前や当日にすること
の3つに分かれます。
面接では、基本的には履歴書やエントリーシートに書かれたことを中心に質問をされます。そのため、全体感としては、エントリーシートを提出するまでにどれだけの準備が行えているかがポイントです。
それでは順に見ていきましょう。
エントリーシートを提出するまでにすること
エントリーシートを提出するまでにできることは色々とありますが、自分がどういった業界や職種を受けたいかの具体的なイメージがあるのか、それともまだ就活を始めたばかりでこれから情報収集するような状況なのかによっても変わってきます。
志望業界、職種を問わず全般的にできること
まだあまり具体的なイメージがない場合に、志望業界や職種を問わず全般的にできることには以下のようなことがあります。
日々の充実(日常的な経験や学生生活)
1つ目は日々の充実です。学生の皆さんは、日々の学生生活を充実して送れているでしょうか?日々の生活と就職活動はあまり関係がないと思われるかもしれませんが、実際には日々何をして過ごしているのか、どういった興味を持っているのか、何に時間を使っているのか、ということが、業界や職種、将来働く会社を考える上で大きなヒントとなります。
それは、アルバイトかもしれませんし、サークル活動かもしれません。別に何をやっていても良いですが、ここで重要なのは、自分の興味や好奇心、ビジョン等に沿って活動ができているかどうか、また将来に向かって何かの努力を行っているかどうかということになります。
日々の生活が充実していれば、それだけやりたいことが明確になっているという証拠ですし、企業を受ける際にも志望動機が明確になり、実績として話せることも増え、就職活動においてはとても良い循環に入っていくことができます。日々あまり充実して過ごせていない人は、毎日何をして過ごすべきかということを真剣に考えてみてはいかがでしょうか?
月並みではありますが、いくつか例を挙げておきます。
日々を充実させるためにできること
- アルバイト
日々のシフトをこなすだけではなく、お店のオペレーションがどのようになっているのか、お客さんが何を求めているのか、どういった働きをすれば周りの人に喜ばれるのか、どうすれば自分の時給が上がるのか、ということを考え行動する - サークル活動
どうすれば自分の技術が向上するのか、どうすればチームワークが高まるのか、どうすれば大会で入賞することができるのか、どうすれば学業と両立することができるのか、どうすれば大学の予算をたくさん獲得できるのか、どうすれば新入生がたくさん入ってくれるのか、考え行動する - 自己研鑽
外資系企業で働くために英語を勉強する、異文化コミュニケーションを経験するため留学をする、手に職をつけるために資格を取得する、地域のためにボランティア活動に参加する、教養のためにたくさん読書をする - 学業
実験や研究を真剣に頑張る、興味のある分野の研究をしている研究室を探して先生に話を聞きに行く、学業成績で優秀者となる、学会発表をたくさんする、国際学会に投稿してみる - その他
友人と起業してみる、介護や子育てなど家族のために貢献をしてみる、いろんな場所に旅行に行く
自己分析
イメージが具体的でない場合にすべきことの2つ目は、自己分析です。
就職活動は、事前に受ける業界や業種、職種を絞れば絞るほど調査する範囲が狭く深くなり、効率的に進めていくことができるようになります。ではどのように絞って行くべきかというと、まず自分のことをよく知るということがとても重要になってきます。自分は何に興味があるのか、喜びを感じる時はどういう時か、楽しいと感じる時はどういう時か、嫌だと感じる時はどういう時か、許せないと感じることは何か、といったように、自分の価値観を明確に言語化してみることが大切です。
そのためにできることの1つとして、「自分史」を作成するということがあります。自分史とは自分のやってきたことを年表にまとめることで、世界史や日本史の自分バージョンだと考えてもらえば良いと思います。
- 小学生の時は何をしていたか、どんな子供だったか、どんな習い事をしていたか、得意な科目は何だったか
- 中学生の時の部活は何か、どのような課外活動に取り組んでいたか、どのような賞を取ったことがあるか
- 高校生の時に興味を持っていたことは何か、部活動は何をやっていたか、どのような理由で文系か理系かを選択したのか、なぜ今の大学を受けようと思ったのか
- 大学に入ってから部活やサークルは何をしたか、なぜその学部を選択したのか、アルバイトはなぜそのアルバイトを選択したのか
上記のようなことを年代別にまとめていくと、自分が取ってきた行動について一貫性があることを認識できたり、逆にずっと避けていることに気付けたり、自分を客観的に見ることができるようになります。
自分の価値観に合わない職業は選択すべきでないので、自己分析を適切に行えているかどうかで、回り道をしなくて済むこともあるかもしれません。
業界分析
興味のある業界が複数ある場合には、それぞれについて業界研究を深めてみるというのも良いです。
業界研究というと色々な観点がありますが、例えば以下のようなことを調べてみてはいかがでしょうか。
- どのような会社があるのか
- そこで働いている社員はどのような人たちなのか
- どのような商品がいくらで出ているのか
- 市場規模は全体でどのくらいか
- お客さんにはどのような人が多いのか
- 近年のトレンドは何か
調べれば調べるほど、研究のしがいがあると思います。
業界研究については、参考になる書籍もたくさん出ているかと思いますので、買って読んでみても良いと思います。また、企業のセミナーや展示会に参加して直接話を聞くのも良いです。部活やサークル活動で関係のある会社に連絡を取ってみたり、OB・OGの方が働いている企業に説明に来てもらったり、色々とやり方はあると思います。
また、業界研究をするときは、学生という身分を最大限に活用できます。一度社会人になってしまうと、誰か知らない人に連絡を取ろうとするとき、その意図や経緯などを明らかにしたり、相手の利益を考えたり、利害を調整したりといった、事前準備が必要になることも多いです。その点、学生という身分を使うと、単純に企業研究をしているとか、研究活動の一貫とか、授業の一貫とか、就職活動をしているなどという理由だけで、会いたい人に会えるかもしれません。先方もあまり身構えずに協力してくれる可能性も高いです。資料で調べるのも良いですが、是非足を使って情報を探してみて欲しいと思います。
IT業界については、以下の記事も参考にしてみてください。
https://itshukatsu.com/category/industry/
特定の希望職種に対してできること
希望の職種が明確な場合は、より具体的な行動が可能となります。たとえば、以下のようなことです。
希望職種に対してできること
- ゼミ・研究室を選択する
- インターンに参加する
- OB・OG訪問を行う
- 企業研究を行う
- 履歴書を書く
- エントリーシートを書く
それぞれ順に見ていきます。
ゼミ・研究室を選択する
ゼミや研究室は、自分の興味で選ぶことが多いかもしれませんが、もし就職活動を前提に選ぶのであれば、選択の幅が広がるでしょう。
IT系の仕事に就きたい場合には情報系の研究室を選択した方が良いというのは想像しやすいですが、将来営業職に就きたいのであれば課外活動の多い研究室を選ぶとか、人との折衝が多い分野を選ぶのも1つの選択肢かもしれません。
またそのゼミや研究室のOB・OGがどういった会社に就職したのか、事前に調査できるのであれば調査してみても良いかもしれません。というのも、この後に出てくるOB・OG訪問やインターンシップを進めていくにあたり、研究室の先輩の事例があれば人脈をたどりやすくなるからです。
インターン
職種が明確であれば、インターンシップに参加してみるということは非常に有効です。最近では大学1年生から参加できるインターンシップもあるようで、調べてみると色々出てくると思います。余裕があれば、まずは気軽に参加できるものから参加してみてみるのも良いと思います。大学3年生もしくは修士課程1年生であり、就職活動を間近に控えている場合には、採用活動に直結しているインターンシップを選んで参加するのが良いと思います。
インターンシップに参加すると、同業種を目指している友人も沢山できます。彼らは限られた採用枠を奪い合うライバルにもなりますが、実際にはわからないこと教え合ったり、就職活動においては助け合う存在になることが多いです。というのも、自分と全く同じ趣向の人というものは、滅多にいないからです。
OB・OG訪問
OB・OG訪問は非常にためになるのでオススメです。実際に働いている社員さんから直接話を聞くと、人事部が採用活動のために出している情報や、メディアで公開されている情報、ニュースで見る情報などとは、全く異なった印象を受ける事が多いと思います。
どういった価値観の人たちが働いているか、将来そういった人たちと一緒に働きたいかということを判断することもできます。OB・OG訪問は非常に情報量が多いので、是非早い段階でやってみることをお勧めします。
企業研究
企業研究は必須です。といっても、なかなかどのように進めて良いか分かりづらいかもしれません。
もしかしたら大学の先生に、その会社の資本金の額や社員数、事業内容、経営理念などは最低限抑えておくように、と言われているかもしれません。確かにそういった情報も重要です。しかしながら、実際問題、学生生活をしていながら企業の経営理念に十分に共感するということは、可能性として低いと思われます。もちろん経営理念に共感して入社したいという視座の高い学生がいることは事実ですが、経験上、あまりいないです。それよりも、どのようにしてその企業について調査をしたか、その企業のどういった特徴を見て自分の適性やキャリアのイメージを考えたか、というプロセスそのものがより重要かと考えています。
面接においては、それぞれの学生さんが入社した後どのように仕事を進めていくだろうか、ということを判断されますが、企業側としても、どういった人材がいれば正解だということはありません。人それぞれ、価値観や仕事のやり方があって当然です。ただし、なぜそのように考えているのか、どういった情報をもとに判断したのか、思考のプロセスや行動量というものは評価されます。ですので、企業研究はその企業の歴史などを知っているかどうかということよりも、どういった部分に着目したのか、どういったイメージを持っているのか、なぜそのように考えているのか、ということを説明できるようにしておくことが重要です。
具体的なIT企業の実際については、以下の記事を参考にしてみてください。
https://itshukatsu.com/tag/company-analysis/
履歴書
受ける企業が明確になっているなら、履歴書の作成に着手できます。履歴書はJISなど共通のテンプレートがありますので、1つ作っておく事をお勧めします。企業によってテンプレートが指定されることもありますが、基本的に内容は同じですので、1つ作っていれば使い回しができます。
履歴書には、学生時代にやってきたことや、仕事に対する熱意、スキルなどを記載しますが、これらは受ける企業や職種を踏まえて書くことが重要です。そのためにも、自己分析や事前の企業分析というものが重要になります。
履歴書の具体的な書き方については、別の記事で詳しく解説します。
エントリーシート
最近では、一次審査として履歴書に加えてエントリーシートの提出を求める企業が多いです。エントリーシートでは、履歴書よりも詳しい情報の提供を求められます。
例えば、学生時代に頑張ったこと、自分の性格や資質に係わること、仕事に対する興味や将来のキャリアに関することなど、幅広い質問があります。エントリーシートの書き方についてのテクニックも勿論ありますが、ベースとなるのは自分が日常的にやってきたことや自己分析の結果になります。
また、エントリーシートは一度作成したら、企業に提出する前に必ず社会人や先輩、知り合いに見てもらうことをお勧めします。各質問で聞かれていることに対して十分に答えられているか、簡潔な文章が書けているか、口語的な表現や学生っぽい表現が残っていないかなど、全体的にチェックしてもらいましょう。プロフェッショナルな文章というのは見ただけですぐ分かりますし、それが書けることが重要かどうかとよりは、そういったチェックを事前にしているのかどうかで、その人が真剣、丁寧に取り組んでいるかどうかの判断材料にもなります。所詮足切りチェック程度に使われるだけだと軽視しないよう、1件1件慎重に取り組んでいきましょう。
面接が決まってから面接日の前日までにすること
履歴書とエントリーシートを提出したら、企業からの選考結果を待つ形になりますが、無事通過すれば次は面接になります。面接に向けてはどのような準備が必要なのでしょうか?
面接の応対の練習
面接は対話ですので、自然な形での受け答えができるように、トレーニングする必要があります。昨今、SNSなどで活字でコミュニケーションを取る機会が圧倒的に増えていますが、対面したときに落ち着いて話ができるように、またチャットで使っているような口語表現ではなく丁寧な話し方ができるように、練習をしていく必要があります。
就職活動の結果は、結局のところ面接で決まります。書類選考を通過し面接にたどり着いたということは、入社可能性が少しでもあるということです。ここからがようやく本選考となりますので、十分準備して臨みましょう。学生さんによっては、全く準備せず練習もせず受けに行く人もいるようですが、最初は必ず誰かに練習相手になってもらう事を強くお勧めします。これは本番で緊張しないためや、自分で話す内容に違和感や矛盾を感じながら喋らないためです。違和感や矛盾を感じながら喋ると言葉に説得力がなくなり、面接官にもすぐ伝わってしまいます。
ここで一つテクニックをお伝えしたいのですが、それは頭の中で映像を再生できるくらい具体的にイメージを膨らませて話す、ということです。逆に、映像ではなく言葉で考えながら話していることは、説得力がないものです。
一例として、嘘をつくのが上手い人と下手な人がいます。嘘をつくのが下手な人というのは、その嘘を正当化するための理由を頭で考えながら話しています。そのため、話したことの辻褄が合っていなかったり、矛盾が起き、それを取り繕うために更に嘘をついていかなくてはいけなくなります。また頭で考えながら話してると、息が浅くなったり、目線が合わなかったり、体にも確信の無さが現れるようになり、すぐ相手に伝わってしまいます。
一方、嘘をつくのが上手い人、つまりは説得力のある人というのは、頭の中で具体的にイメージしながら話せる人です。というのも、自分が実際に体験したことや経験したこと、感じたことというのは、その記憶を映像にして、順に話して行くだけなので、言葉に詰まることもなければ、説明が食い違うこともありません。何なら、一緒にいた人が来ていた服装を聞かれたとしても、頭の中に映像があるので、悩まず即答できると思います。そういった細部に宿る現実感というものが、説得力の源泉となります。
したがって、練習するときは、頭でイメージしながら話すということを心がけてみてください。くれぐれも、エントリーシートに書いた活字を丸暗記して話す、ということは絶対に辞めましょう。イメージする癖をつけることで、ロジックも洗練され、忘れにくくもなります。後悔しないため、自分の力を出し切るために、事前に繰り返し練習することをお勧めします。
その他、面接に向けた具体的な準備内容などは、以下の記事を参考にしてみてください。
企業研究
早い段階から企業研究は進めて来ているはずですが、面接対策としての企業研究も重要です。
面接が決まっているので日程も限られているでしょうから、ここでできる対策は限られます。ここでは、その企業に関する最近のニュースなどをチェックして、何が論点になっているのかを簡単に説明できるようにしておきましょう。
最近のニュースなどは逆質問のネタにもなります。「最近、こういうニュースがありましたが、元々はこういうことだと考えていました。何か社内で大きな方針転換があったのでしょうか?」といった質問は、自分の業界理解、ニュースなど時事への興味、企業への興味など示す重要なコミュニケーションになります。
神経質になりすぎる必要はありませんが、日経新聞の記事など、企業名で検索をして上位に出てくるものは、簡単に目を通しておきましょう。
面接の直前や当日にすること
服装、マナー、時間や緊急連絡先などの再点検
ここまで来れば、面接の準備としては十分かと思いますが、面接当日になって焦らないように、最低限の確認をしておきましょう。
たとえば、当日着て行く服装、気をつけるべきマナー、持ち物や、集合時間、電車の遅延や遅刻の場合の緊急連絡先などもチェックしておきましょう。最近ではリモート面接が一般的になってきてはいますが、それでもすべき確認は同じです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここに書いてることを全て実践しているような学生はほぼいないと思います。実際、全てを実践することも難しいですし、学生生活においては就職活動以上に重要なこともあると思います。出来る範囲で構いませんので、この記事のガイドに従い少しでも面接の合格率を上げられるように準備していきましょう。
特にタイミングについては、必ずしもこのタイミングで行う必要はありません。例えばOB・OG訪問は、早いタイミングで行うことを推奨していますが、面接の直前になっても構わないと思います。とにかくどれだけの準備をしたかということが非常に重要になります。
企業の担当者は、とても沢山の数の学生さんを面談しています。表面的にしか準備をしていない学生さんは少し話せばすぐにわかりますし、逆に深い洞察や考えをもっている学生さんのこともよくわかります。色々と深く考えている人というのは、入社してからも同じような振る舞いで、十分準備をして、お客さんに提案を持って行ったりするイメージが湧きますので、企業としても内定を出したい人材になります。
一方、いくら頭が良く見えても、その会社に対して働くインセンティブを持っていないように受け取られてしまうと、内定を出しても辞退される可能性が高いと判断し、落とされてしまう可能性もあります。具体的にイメージできるくらい準備をすること。これを意識しておいてください。
面接対策としては、以下の記事も参考にしてみてください。