LINEってどんな会社?評判から仕事内容、採用情報、年収、待遇まで徹底研究!
皆さんこんにちは。
今回はもはや生活必需品となっているチャットアプリ「LINE」でお馴染み、LINE株式会社を研究します。
LINEは新卒採用も行っています!LINEで働くとどういったメリットがあるのか、仕事内容から社風、年収まで詳しく見ていきましょう。
LINEってどんな会社?

「インターネットサービス」を提供
LINEは典型的な「インターネットサービス」の会社です。そう言われてもピンと来ない人も多いかもしれないので、比較しながら見ていきますね。
インターネットサービスの会社は、世の中のいわゆる「Web系の会社」とも若干異なります。Web系の会社(Web制作会社とも呼ばれます)は、自社システムを開発しインターネットを介して提供している会社、つまりパッケージを作るベンダーです。そのビジネスモデルは、開発したパッケージ、SaaSアプリを、コピーして沢山販売するほど売上が上がる仕組みです。
ですが、お客さんによっては、パッケージをそのまま活用できなかったり、自社専用のシステムをスクラッチで作りたいという人もいます。そういう要件に対応しているのがSIerで、お客さんの要望に合わせて機能を設計したり、システムを開発して納品する会社です。
Web系の会社やSIerは、対象の顧客が企業(Business)であることが多く、そのシステム開発やサービスの販売を、マンパワーに頼っている側面があります。俗にいうITコンサルは、こういったプロセスに付随した上流の提案を行うことが多いです。
これらと比較すると、インターネットサービスの会社は、とにかく大量のユーザー(顧客)をターゲットにしているという特徴があります。圧倒的なユーザー数を獲得し、ユーザーあたりの単価を上げることで売上、利益を増やし成長していくというのが、典型的なインターネットサービスの会社です。GoogleやFacebookがコンセプトとしては近いかもしれません。
技術力を重視
Web系の会社やSIerの場合、顧客数は数百から多くても数千など、そのレベルのオーダーです。一方インターネットサービスの会社はマスにアプローチするため、ユーザー数が桁違いです。
LINEの場合、全世界のLINEのユーザー数は2021年時点で1億7,000万人を突破しました。それに応じて、提供するシステムのコンセプトも全く異なってきます。
たとえばあるプロダクトのリクエストに対するレイテンシー(反応速度)が500ミリ秒だとします。一般のWeb系サービスでは、それほど重要な問題ではありませんし、0.5秒だとむしろ速く感じられるかもしれません。しかしLINEのような莫大な数のユーザーを抱えているシステムの場合、500ミリ秒の遅延が積み重なると重大なシステム障害やユーザー離れを引き起こす可能性もあります。
そのため、レイテンシーを10ミリ秒に短縮したいという要望が来ます。エンジニアたちは、アーキテクチャーからデータ構造まで、あらゆる知見をもとに開発をしますが、システムの複雑性はユーザー数に比例します。不適切な設計をした場合には指数関数的に複雑になり、1行のプログラムを修正するために膨大なコストがかかるようになります。
このような大規模システムを開発し維持していく技術力というのは、要求されたものを作るだけでは不十分で、品質や効率性、可用性、可読性等、様々な観点を踏まえた開発が必要になります。そのためLINEでは、エンジニアの技術は社内で最も重要なものであり、事業競争力を保つために必要なものと位置づけられています。
自由な社風
インターネットサービスの会社は自由な社風であることが多く、LINEも例外ではありません。
先程のWeb系の会社やSIerと異なり、プロダクトのイニシアチブ(決定権)は自社が持っています。そのため、お客さんに指示されて働くこともなければ、スケジュールやマイルストーンも自社で決めますし、そもそも何を作るのか、それにはどんな開発言語や技術を使うのか、すべて自社で定義します。
また、重要な意思決定はチームで行うことが一般的です。これは一般に「エンジニアリングカルチャー」と呼ばれたりします。誰が誰に指示を行うといったピラミッド型の組織ではなく、フラットであることも重要なポイントです。
インターナショナル
社員が多国籍であることもLINEの特徴の一つです。
東京以外にも、韓国にはLINE Plus Corporationという子会社があったり、主要マーケットであるタイやインドネシア、台湾などにもオフィスや開発チームが在籍しています。
基本的に社内リソースは日本と韓国に集中しているわけですが、実際に仕事を進めていく際には、国外の社員とのやり取りも欠かせません。
そのため社内のコミュニケーションは日本語と英語が混在している状況です。部署によりますが、プロダクト部門はほぼ日本語、開発部門は英語と日本語を併用する形になります。
LINEの強み、弱み、展望
LINEはみんなが使っているアプリということでイメージはしやすいと思いますが、会社としてはどういった強みを持っているのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
強み①:高いユーザー定着率
コミュニケーションは相手がいて初めて成り立つものですが、アプリも同様です。LINEの一番の強みは、メッセージアプリという性質そのものですが、ユーザーの高い定着率というものがあります。
というのも、自分がいくらLINE嫌いでも、相手がLINEを利用している以上、LINEから離れることはできません。ゲームだったら、自分が飽きたら辞めてすぐ別のゲームを始めればおしまいですが、コミュニケーションアプリの場合、アプリを変えても何も意味がないんですね。
ユーザーは一度使い始めるとやめられないので、それが強みとなります。
強み②:圧倒的なユーザー数
LINEの場合、そのユーザー数も大きな強みになります。日本を見渡しても、チャットアプリでLINEの横に出る会社は見当たらないと思いますが、この絶対的なユーザーからの支持が、盤石な事業基盤を支えています。
インターネットサービスには、勝者総取りの考え方があります。たとえば不動産屋さんは全国に死ぬほど沢山ありますが、ネット通販サイトの大手はAmazonと楽天くらいしかありません。インターネットサービスの場合、ユーザー数が最も多いサービスに利用が集中し、2位以降を圧倒的に引き離すという傾向があります。
弱み:ユーザーの成長性
一方で、弱みも見ていきましょう。
LINEの一番の弱みは、2つの強みの裏返しとも言えますが、ユーザーの成長性です。
現時点で、LINEは日本国内で8,000万人のユーザーを抱え、スマホを利用する世代の大半を取り込んでいる状態です。売上を増加させるためにはユーザーを増やすのが最短距離ですが、人口の増えない日本市場のポテンシャルは大きくないと言って良いでしょう。
では海外に出れば良いのではないかという意見もあります。もちろん海外展開もトライされているとは思いますが、強み①で述べた通り、メッセージングアプリは相手があって初めて成り立つものです。海外にはWhatsApp、メッセンジャーなど、メジャーなメッセージアプリが普及し定着しています。これを、LINEに乗り換えさせることは、現実的に困難です。
展望:既存LINEユーザーに対する新サービスの展開
したがって、LINEが今後力を入れて行くであろうと思われるのは、既存顧客の生涯価値(LTV: Life Time Value)を上げていくことでしょう。
すでに、LINE PayやLINE証券など、LINEユーザーをターゲットとしたサービスでも普及しているものがあります。
LINE Payは一時期キャッシュレス決済のパイオニアとして位置づけられていましたが、結果的には、PayPayの広告戦略に破れ、マーケットシェアは逃しています。
このような形で、今後も多くのサービス開発や事業シフトを更に加速していくものと想像できます。他の事業者が参入しているような、保険や仮想通貨など金融関連サービスなども期待の一つかもしれません。
LINEの仕事、やりがい
LINEはベンチャーの中でもかなり大手になるのと、またその認知度の高さから、優秀な人材が集まってきます。一度中に入れば、周りはとても優秀なエンジニアが多く、日本でもトップクラスです。そのため、成長環境としては抜群と言えるでしょう。
新卒で入ると、iOSやAndroidのアプリなどフロントエンドの機能開発からスタートし、経験やスキルを積み上げていくケースが多いと思われます。そのため、募集職種はフロントエンドエンジニアなど、一般的なシステム会社と同じ職種が並びますが、特徴的なのはインフラエンジニアです。LINEは膨大なトランザクションを正確に処理し、かつそのコストを抑えるために、自社でデータセンターを運用しており、インフラエンジニアを自社で抱えています。
通常、規模のそこまで大きくないベンチャーや開発企業では、GoogleやAWSのインフラを活用することが大半です。スキルの市場価値が高いのはデータベースやGCPなどのパブリッククラウドに関する経験になりますので、LINEでインフラエンジニアをすることが転職に不利になる可能性も否定できませんが、ここでしか経験できないスキルを培うことも可能です。
LINEのワークライフバランス

LINEのワークライフバランスは非常に良いです。フラットな社風に加えて、有給休暇の取りやすさ、リモートワークの導入率等も著しく高いです。
ベンチャーは若い人が多いという印象があるかもしれませんが、若くて活気があるという反面、ハードワークで物事を解決していくという側面もあります。LINEは若い人だけでなく、幅広い世代の社員がいるのも特徴です。
また、スモールベンチャーは各プロダクトに割り当てられている予算も少ないため、チームに十分な人がいないケースがあります。そのようなチームで、社員が長期休暇を取る許可をもらえないことも発生しますが、LINEはチームの規模が安定しているため、休暇も取りやすいと言われています。
若い人も多いですが、LINEには30代、40代の子育て世代の社員も多数在籍しています。ベンチャーの雰囲気もあり、働きやすさもあり、バランスの取れた職場環境です。
オフィスもおしゃれです!(自尊心が高まるため、重要です)
LINEの年収、待遇
LINEはプロダクトの認知度、職場環境ともに非の打ち所がない会社ですが、年収や待遇はどうでしょうか?評価を見てみます。

この図はOpenSalaryに投稿されたLINEのエンジニアのランク別年収になります。ランクにはL1からL6までありますが、この考え方の大枠はインターネットサービス業界では一般的に使われる共通ランクになります(実際にはL7まで定義されることもあります)。
新卒で入ると、まずL1からスタートします。年収レンジは約500万円からスタートのようです。
2~3年ほど働いて自立してくると、L2に昇格します。L2になるとサポートなしでもある程度独立して開発することができ、そのうちシステムの一部の機能を任されるようになります。
5~6年ほど経験を積むと、L3になります。L3になると、年収で1,000万円を超える人も出てきます。L3では、ある程度複雑な機能や中規模レベルのシステムを任されたり、L1やL2を数名サポートしながら仕事をするようになってきます。また、L3以下は人材も非常に流動的であることから、転職で入ってくる人もいれば、出ていく人もいるランクになります。
ここまではある程度仕事をこなして実績を積むことで昇進できますが、L4はシニアエンジニアのレベルとなり、昇格するためには実力と運の両方が必要になってきます。運とは、インパクトのあるプロジェクトに関われたかどうか等です。いくら優秀でも、重要なプロジェクトに関われないと評価されないこともあります。L4以上は人材の流動性も低くなり、転職で入ることも難しくなります。
更に昇進しL5になった社員はスタックエンジニア、すなわちベテランエンジニアになります。L5になると規模が大きく重要なシステムの技術トップを任されるくらいになります。L6は業界でも有名人になったり、LINEの顔とも言える、エバンジェリストの位置付けです。
LINEの退職理由
これまで見てきた通り、LINEはとても人気の会社であり、多くの成長機会が得られることから、入社理由は想像がつくと思います。一方で、転職理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
前述の通り、L3ランク以下のエンジニアは非常に流動的です。会社が合わないとか、やりたいことがあるとか、色々な転入、転出理由が考えられます。しかしLINEの場合は、L3からL4に昇進するのが困難です。L3の経験年数は5~6年以上ということになり、実際の年齢でみると30代前後から半ばあたりがボリュームゾーンです。この年齢は、結婚したり子育てをしたりする年齢です。そのため、年収をもっと上げたいといった理由で、すなわち待遇面を不満に感じて転職をするようなケースもあります。
転職先として候補に上がるのは、PayPay、メルカリ、SmartNews、Indeed、Google、Amazonや、その他給料の高いベンチャーになります。LINEは認知度の高さから、安い採用コストで優秀な人材を集めている反面、一部しか出世できないために、他の競合が高給で引き抜いてしまうんですね。
昇進は個人の努力や実力も必要ですが、良い案件に当たるかといった運の要素も強いので注意が必要です。
まとめ(ズバリ!LINEはオススメか?)
LINEは、特に若いエンジニアで優秀な人と一緒に働きたい、スキルや経験、市場価値を高めたいといった向上心のある人にとってもとてもオススメな職場です!
LINEで働くメリット
- 認知度が高く大規模なアプリ開発に関わることができる
- 日本でもトップクラスのエンジニアと働くことができる
- フラットな社風で、ワークライフバランスも充実している
一方、優秀なエンジニアが多い反面、出世は非常に競争率が高いので、キャリアの見通しや自己評価が重要になってきそうです。
以上、就職活動の参考になれば幸いです。