面接官は何を見ている?評価されるポイントと具体的な対策まとめ
皆さんは、面接官があなたの何を評価しているのか、意識したことはありますか?
または、自分が面接に挑む様子を、面接官の目線で客観的に分析したことはありますか?
この記事では、面接官の視点に立ち、面接官に「この人には内定を出したい!」と感じさせる面接の受け答えについて解説しています。
面接対策本などに書かれている「一般的・基本的な」戦法とは異なり、一部アウトローな箇所もあるかもしれません。
ですが、ファーストキャリアは人生において最も重要な選択の一つです。それに妥協せず、後悔しないために、自分の力をすべて出し切るための方法として活用してみてください。
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この記事の要旨
- 面接官は何を見ているのか
基本的な能力と入社可能性の高さを確認
面接官が確認しているポイントを押さえて評価に直結させる - 面接全体の対策
一緒に働きたくなる人を演出すべし
真顔&敬語はNG
面接はエンターテイメント - 面接官を楽しませるためのTips
一緒に働きたいと感じてもらえる話し方
面接でウケる敬語の崩し方 - 各ステップごとのポイント
- 一次面接
通す面接、ネガティブチェック - 二次面接
落とす面接、能力だけでなく入社可能性の高さをアピール - 最終面接
通す面接、対策次第で絶対に落ちない面接に
- 一次面接
- 実践することが最大の練習
OBや友達と協力して面接練習
場数を踏んで鍛える
面接官は何を見ているのか

ズバリ、結論から申し上げましょう。面接官は、選考を通してあなたの能力と入社可能性を吟味しています。
主に能力としては、コミュニケーション能力、地頭の良さ、過去の実績の真偽などがあります。
入社可能性としては、会社に対する熱意、志望度の高さなどが見られます。
敵を知り、己を知れば百戦危うからず。面接官が確認するポイントを押さえ、評価に直結するネタを仕込むことで、あなたの魅力を最大限に伝えることが可能です。
面接官の評価ポイントにフィットする話し方を心掛ける
こんなの当たり前だ!と感じられる方もおられるかもしれませんが、こうしたポイントを意識して、面接の中身に反映させることができている学生はあまりいません。これができているかどうかで、能力や志望度が同じレベルの学生でも、面接官からの見え方は全く変わってしまうのです。
この記事では、面接の各段階を丁寧に分析し、どのように話せば評価につながるのかを解説します。
面接全体の対策

この章では、すべての面接に共通の評価ポイントについて説明します。
面接官の評価に直結させるためには、どのような点に気を付けて話せばよいのでしょうか。それを知るためには、まずは自身が面接官の気持ちになってみることが大切です。
例えば、ESでガクチカをびっしりと書いたのに、面接で同じ内容が聞かれるのはなぜでしょうか?ガクチカに対する評価は、ESを読むだけでもある程度はできるはずです。しかし実際には、面接では「その内容はESに書いてあるでしょ」といった内容を聞かれることが多々あります。
これは他でもない、その質問の評価ポイントが活字だけではわからないところにあるということです。あなたは、ESに書かれた内容を読み上げるだけではいけません。活字では伝わらないあなたの本当の価値を伝えないといけないのです。
ではその本当の価値とは何か。この最たるものが、コミュニケーション能力です。どんな会社でも、コミュニケーション能力なくしてチームで働くことはできません。営業だけでなく技術職、研究開発職においても、企業で働くうえでは必ず必要なものになってきます。
面接では、コミュニケーション能力の高さを伝える
そんなことわかっているよ!と思ったあなた。ここで一度、あなたが過去に行った面接を思い出してみてください。
面接官の質問に答えるのにいっぱいいっぱいで、硬い話し方になってしまったことはありませんか?
そもそも、面接は真顔&敬語でやるものだという固定観念を持たれている方も多いのではないでしょうか。しかし、これは大きな間違いです。
逆にあなたが面接官なら、どのような人と働きたいですか?または、どのような人が社内の事業を円滑に推進し、会社に貢献してくれそうでしょうか?
人当たりがいい、話がわかりやすい、誰とでも仲良くなれる、いろいろ挙げられると思います。あなたの中でも、何らかのイメージがあると思います。
これを、あなたが面接していた時の自分に当てはめてみてください。どうでしたか?
一緒に働きたいと感じましたか?
面接は笑顔がすべて、といった極論もしばしば耳にしますが、これはあながち間違いではありません。真顔&敬語で終始カチカチで終わるよりは、多少ヘラヘラしている方が案外印象は良かったりするのです。
面接はエンターテイメントだと考えましょう。面接で成果を出している学生の共通点は、面接官を楽しませようとしている、ということにあります。
面接官は定量的に数字を付けて評価を行おうとしますが、人が採点している以上、定性的にならざるを得ません。面接官に、話していて楽しい、素直そうで気持ちのいい学生だと感じてもらえれば、それで合格なのです。
一緒に働きたくなる人物像になり切る
人気企業のインターンは、倍率が何十倍にもなりますが、同じ業界の他のトップ企業のインターンでも同じ人に出会うことがよくあります。これは偶然のように思えますが、実際にはよくある光景です。
結局、トップ企業で成果を残している人は同じ層の人なのです。その人達は、どの会社にいっても、会社の事業が異なっても、実績を残しやすい傾向にあります。
そんな彼らには明確な共通点がありました。彼らが全員、ピカピカのガクチカを持っているわけではありません。バイトリーダーや、サークルの代表といったありきたりなガクチカで通っている学生もいます。それでも、彼らに共通するのは、話していて圧倒的に気持ちのいい学生であるということです。
明るくコミュニケーションできること、不快感なくすんなり会話ができること、これなしにビジネスを進めることは難しいのです。
面接官を楽しませるためのTips

では、実際に面接でどのように魅力的な人間性を演出すればよいのでしょうか。
これから具体例を示していきますが、もちろん、最初からなれなれしくいくのは間違いです。まずは、丁寧な敬語で始めましょう。ただし、笑顔を忘れてはいけません。最初は軽く自然な笑顔で構いません。
最初はもちろん敬語から、笑顔を忘れずに
話が進むにつれ、相手の会話のやり方や場の雰囲気に慣れてきたら、少しずつ明るい雰囲気にもっていきましょう。
会話を明るくするために、少しずつ敬語を抜いて行くのも一つの方法です。「え?敬語を話さなくて良いの?」と言っているのではありません。ですが、敬語を話すことにこだわりすぎるあまり、固くなってしまうのは逆効果です。敢えて敬語への意識を遠ざけることで学生らしさが出て、面接官があなたの日常を知るきっかけにもなるのです。
完全なタメ語になってもいけません。具体的には、文の真ん中あたりを、敬語から砕けた表現に置き換えるのがポイントです。実は、敬語とは文末さえ敬語になっていれば敬語らしく聞こえることが多いのです。
中盤から敬語を軽く抜き、距離を詰めていく
最終的には、敬う気持ちを損なうことなく、文全体を砕けた表現に置き換えることが理想的です。
例えば、
「本当にもう、〇〇さんの仰る通りです!僕もその時に、『自分ってこんなにガチになれるんや』って驚いて…」
といった感じです。
こうすることで、面接が進むにつれ、徐々に面接官との距離を詰めていくことが可能となります。
距離感の目安としては、最初は無理せず初対面の空気感でスタート、最終的に、仲のいい先生と生徒ぐらいの会話にまで持ち込むのが理想です。面接官に、会話を楽しかったと感じてもらえれば勝ちなのです。
仲のいい先生と学生の距離感まで持ち込むのが理想
これには副次的な効果もあります。面接官が「学生を正しく評価できた」と錯覚するということです。
面接官は、学生が賢そうに真顔&敬語で話しているのをその学生の日常の姿だと感じているわけではありません。面接という場ですから、緊張して固くなることは仕方のないことです。そのため、面接官は面接官なりに、相手の本当のことを引き出すためのトレーニングや研修を受けていたりします。面接官によっては、自ら距離感を縮めて緊張をほぐそうとしたり、あなたの本当の姿を意図的に引っ張り出そうとされる方もいます。これは、学生の真の姿を評価するためです。
ですので、あなたが自ら日頃の姿を開示することで、面接官は、自分の面接が上手くいった、自分は候補者を正しく評価できている、と感じるのです。
上手く面接できたと感じてもらう
さらに上級者になると、これを逆手にとることも可能です。
例えば、レアな質問が来た場合、仮にそれに対する答えを用意していたとしても
「難しい質問ですね。実はこの話を家族以外にすることは滅多にないんですけど、、」
という風に、自分の真の姿がさらけ出されている感を演出することで、面接官に満足していただくことが可能になります。
いずれにせよ、面接はエンターテイメント、相手を楽しませることが大切だと覚えておいてください。
面接はエンターテイメント
各ステップごとのポイント

上記の基本方針を実際の面接に活用するために、ここでは1次、2次、最終の3段階の面接選考がある、倍率が100倍以下の企業を想定してステップ分けしています。
選考倍率はESとテストで10倍、1次で2倍、2次で3倍、最終で1.5倍の絞り込み、といったイメージですが、ESでかなり絞り込まれることが多いので、面接に参加できているだけでもかなり上位に入っている可能性が高いです。一般的には、1次は通す面接、2次以降は落とす面接、最終は通す面接、といったモデルが多いです。
しかし、企業によっては、外資系コンサルファームのようにESは全て通過させて1次で絞り込む企業や、そもそもの倍率が高く特殊技能を持った学生しか通さない場合もあるので、事前に先輩方に面接の経験談などを聞いておきましょう。
1次面接
1次面接は、学生と人事が顔を合わせる初めての機会です。
多くの企業で、1次面接はその候補者のネガティブチェックという位置づけになっています。つまり、通す面接ということです。最低限のパフォーマンスができれば、基本的には通ります。
1次面接はネガティブチェック、通す面接
ESが通っている時点で実績は十分に評価されており、1次では、取らない方が無難な学生を落とす作業になります。
基本的にはここまで書かせていただいたことを実践していただくだけでも1次面接はかなり有利に進められます。
質問は、ESに沿ったガクチカや志望動機に関する質問と、簡単な掘り下げがほとんどです。人間性や論理的な説明、話し方といったコミュニケーション能力が見られるのはここまで書いた通りですが、ガクチカそのものの評価も再度行われます。当時、なぜそのような行動をとったのか、なぜ他の選択をしなかったのか、といった掘り下げを行うことで、学生の思考やマインドを簡単に評価します。
また、そもそもESに嘘が無いかということもここでチェックされます。
2次面接
2次面接は、絞り込む面接になっていることが多いです。
ESで実績のない学生を落とし、1次面接で最低限のコミュニケーション能力がない学生を落とし、企業からすれば、やっと選考に値する学生をそろえることができたという段階です。
ここでは、ガクチカや志望動機の深い掘り下げが行われることが多く、その人のマインドの評価、ハイテンポで鋭い質問についてこられる自頭の良さがあるか、といった能力が評価されます。
2次面接からが本番
ここで、自分は能力が高くないから無理だ、と感じてしまった学生もいるのではないでしょうか。しかし、問題ありません。
企業が学生を評価する基準は、その人の能力値だけではありません。入社可能性も大きな要因の一つとなります。
というのも、最終面接に近づくにつれ、企業は自身も選ばれる側であることを意識し始めます。いくら優秀な学生に内定を出したとしても、その学生が来てくれなければ意味がありません。
また、人事担当からすれば、自分が採用した学生がいかに良いパフォーマンスを発揮するか以上に、内定辞退率を低く抑えたほうがの方が自身の評価につながることも多いです。
この学生、本気でうちに来たいんだな、と感じてもらうことができれば、能力面がずば抜けてなくても内定は出やすいのです。逆に、能力や実績を高々とアピールしても、会社のことを見下したような雰囲気が出ていたり、内定を出しても辞退されるであろうと思われてしまうと、内定は出にくくなります。
面接の評価は能力面だけではない
入社への熱意を伝えるためには、とにかく貴社に時間をかけましたということをアピールするのが効果的です。
OB・OB訪問を十分にこなし、職種理解、業界理解を誰よりも深め、入社後の明確なキャリアを描いて面接に挑むのです。
そして、同業他社との違いを明確にし、「〇〇社さんも受けさせて頂いているのですが、〇〇という点で満足できず、改めて御社が自分のやりたいことに最も近いと感じます。」といったように、面接官が安心して、入社可能性を高く評価できるようにアピールすることが大切です。
また、入社後の離職率の低さも入社可能性とセットで大切なポイントになってきます。
入社後の離職率を下げるために、面接官は、その学生がいかに明確に入社後のキャリアを描けているか、入社後のミスマッチが小さそうか、といったことを評価しています。実際、面接では「うちで何をしたいのか」「将来どうなりたいのか」といった質問をぶつけることで、ミスマッチや離職率を予測します。
以上からわかるように、一般的な就活本で対策可能な能力面の強化をすることも大切ですが、内定辞退率や離職率の低さをアピールすることでほかの学生に大きな差をつけることが可能である、ということを覚えておいてください。
内定辞退率や離職率の低さをアピールすべし!
最終面接
最終面接は、一般的には通す面接です。
人事だけでなく、事業に対して決裁権のある人が念のため最終評価するという立ち位置の面接であるということがほとんどです。それでも落ちてしまう人がいるのですが、対策すれば基本的には落ちない面接になります。多くの管理職は、基本的には通すスタンスです。能力は既に十分に評価されており、人事としては内定を出してもいいという判断であるという状況です。
最終面接はきちんと対策すれば落ちない
最終面接官がそれまでの面接官と異なるところは、役職付きであるということでしょう。事業部長、常務、専務、場合によっては社長が出てくることもあるでしょう。
しかし臆する必要はありません。大切なのは、ここでも相手をきちんと知ることです。最終は面接官との相性の問題という人もいますが、面接に合格することが就活の目的である以上、相性は合わせに行くものです。
そのために、事前にその人のことを徹底的に調べましょう。その人が出ている記事、動画などはチェックし、どういった価値観をお持ちなのか、十分に研究し望む姿勢が大切になります。
面接官がわからない場合は人事担当者に聞くか、それでもわからない場合は最低限、公開されている役職者の名簿と事業領域ぐらいは抑えておきましょう。
相性は合わせに行くもの。面接官の価値観を徹底的に研究する
また、最終面接では逆質問も合否を分ける重要な要因となります。
面接官によっては、最終面接のほとんどを逆質問に割り当てる人もいます。逆質問で何を聞くべきか、ですが、ここでもホスピタリティを忘れてはいけません。とにかく、面接官に楽しかったと思ってもらえる質問を考えましょう。特に思いつかない場合は、とにかく相手のことを勉強してきたことが伝わり、かつ気持ちよく話してもらえる逆質問を心掛けましょう。
例えば、その面接官が過去に出られたインタビュー記事からの引用質問などです。人間、自分が苦労した話や、好きな話をした後は、楽しかったと感じるものです。面接とは、その準備にかけた時間や熱量で、始まる前に結果が決まっていると言っても過言ではありません。では、最も効果的なアピールとは、自分の努力や相手企業への思いを的確に示すことです。そのための方法として、相手に話してもらうという手段を取ります。これが結果的に、自分の評価を上げる究極の方法ともいえるでしょう。
逆質問で面接官の信頼を勝ち取る
また、逆質問を行う際にはビジネス形式の質問を心掛けることも大切です。
一般的に、質問とは「~に関してわからないので教えてください」という形でしょう。しかし、これは学生だから許されたことです。
質問をするのなら、それ相応に自分も調べたことを説明した上で、何が分からないのか、自分はこのような意見を持っているがどう思われるか、といった形で、自分の思考や理解をさらけ出すことが大切になります。
逆質問は、最低でも3つほど用意しておくことが望ましいでしょう。他の質問も手を抜かず、志望度の高さをうかがわせる調べに調べた質問、クリティカルな一撃を与える質問を心掛けましょう。
実践することが最大の練習

ここまで、面接の中での細かなテクニックについて考えてきました。しかし、この記事を読んだからと言って、簡単に身につくものではありません。とにかく、場数を踏んで面接に慣れることが得策です。
面接で聞かれることは、ある程度決まっています。まずは、面接質問集などを買うなどして、片っ端からその答えを考えてみましょう。それをもとに、鏡に向かって話してみたり、OB・OB、同級生に協力を仰ぎ、会話を楽しめているのか意識してみましょう。
一部の企業では、「あなたを動物に例えてください」といったトリッキーな質問を出してくるところもありますが、基本的にはガクチカ、志望動機を適切に掘り下げることができれば、予想外の質問に苦しめられることは少なくなるはずです。質問を予想できないと感じる場合は、十分に掘り下げられていない場合が多いです。
また、質問を予想して回答を作る場合は、できれば一度、なぜそう感じたかを考えてみましょう。実際、面接官はあなたの答えに対して、なぜかを掘り下げてくるはずです。日常的に、なぜを考えることで、面接の対応力も上がります。
まとめ
- 面接官は何を見ているのか
基本的な能力と入社可能性の高さを確認
面接官が確認しているポイントを押さえて評価に直結させる - 面接全体の対策
一緒に働きたくなる人を演出すべし
真顔&敬語はNG
面接はエンターテイメント
ありきたりなガクチカでも話し方次第で変わる - 面接官を楽しませるためのTips
一緒に働きたいと感じてもらえる話し方を心掛けよう
終盤に向けて徐々に距離を詰めよう
敬語の崩し方にはポイントがある
仲のいい先生と学生の距離感まで持ち込むのがベスト - 各ステップごとのポイント
- 一次面接
通す面接、ネガティブチェック - 二次面接
落とす面接、能力だけでなく入社可能性の高さをアピール - 最終面接
通す面接、対策次第で絶対に落ちない面接に
- 一次面接
- 実践することが最大の練習
OBや友達と協力して面接練習
場数を踏んで鍛える