フューチャーアーキテクトってどんな会社?評判から仕事内容、採用情報、年収、待遇まで徹底研究!
今回はフューチャーアーキテクトを徹底研究します。
SIer志望の就活生に人気のフューチャーアーキテクトは、いったいどんな会社なのでしょうか?
仕事内容から待遇まで、徹底的に解剖します!
フューチャーアーキテクトってどんな会社?
SIer業界の中では準大手の位置付け
フューチャーアーキテクトは上場企業ですが、創業社長で現会長である金丸氏のオーナー企業だったという特徴があります。
オーナー企業は創業者のカリスマで拡大していく傾向が強く、クライアントとの関係も企業対企業ということはありつつも、人対人で成り立っている傾向が強いです。
案件もトップが積極的に受注してくることが多いです。すると、「他社では無理だと言われたんですが、フューチャーさんだと何とかなりませんかね?」といった形で、案件が回ってくることも多いようです。
最近ではクライアントである事業会社もITに関する知識をつけてきて、システム開発をする際には複数のSIerから相見積もりを取って総合的に判断するということをしていますが、最後の決め手として、人を見て判断するということは往々にしてあります。
そのような文脈で、フューチャーアーキテクトの会社の体質や技術力といったものを評価し、他社ではできないような難易度の高い案件も多く受注しているようです。
工程は上流から下流まで社内で一気通貫
フューチャーアーキテクトの開発は、基本的に全て自社で行っています。要件定義から移行リリースまでフューチャーの社員が行うため、幅広い業務を経験できるということがあります。
大手のSIerに入ると、上流工程のみやって、下流工程はアウトソーシングということが一般的です。その点、フューチャーアーキテクトは社内に派遣社員はいますが、製造をアウトソースするということはなく、すべて社内で請け負っています。
すべて社内で完結しているので、後でトラブルになるとそれに対応するのも社員です。それを避けるため、製品は品質高く開発しているのが特徴です。
営業力も強い
フューチャーアーキテクトはものづくり品質だけでなく、営業力も強いです。
会長の金丸氏のトップセールスの割合は依然と大きく、例えば地方に講演に行って一緒に案件も受注してくるというケースも多いようです。最近では、社内での権限移譲もされ、案件を受注する専門部隊もいます。
一般的にSIerの仕事の受注ルートは、個別営業、既存顧客からのリファラル、コンペ、あたりですが、フューチャーアーキテクトの場合は人づての紹介が多いようです。クライアントも色々と困って行き着いた先がフューチャーアーキテクトだったというケースも多いです。人づてに仕事が取れるので、準備等の間接コストがかかるコンペには消極的なようです。
フューチャーアーキテクトの組織、社風
創業者のリーダーシップが強い
冒頭でもお話した通り、オーナー企業という側面もあることから、創業者のリーダーシップは強いです。創業者であり株主である金丸氏が言ったことは、基本的にそうなります、ということはあるようです。
例えば、フューチャーアーキテクトはM&A案件にも力を入れていますが、会長の一言で急になくなったりもするようです。他にも、社内のリソース配分、すなわちお金の配り方については、会長の一声で決まるところがあり、強力なリーダーシップで引っ張られている会社かと思われます。
とはいえ、会社の独断で良いのかという議論もあり、ガバナンスを効かせるために社内でも会議が設定されたりしているようですが、実務的にはやはり会長の声が大きいということはあります。
これにはメリット、デメリットの両方ありますが、リーダー不在で決めきれないというのは日本の良くない点ですし、フューチャーアーキテクトのこれまでの成長を見ると会長の先見の明は確かな部分ですので、近年の風潮においては喜ばしいカルチャーではないでしょうか。デメリットを敢えて挙げるならば、後継者が不在、ということでしょうか。
トップダウンに色々決められたら、社内の雰囲気は良くないんじゃないのか?自分の主張は通らないのか?と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、そういったことは全くないようです。オフィスでは金丸氏も普通にその辺を歩いていたり、チャットやメールにも普通に返信するそうで、一般社員との距離は近いです。
フューチャーアーキテクトの強み、弱み、展望
強み:システム開発の品質が高い
社内カルチャーとして、品質に対するこだわりは強いです。
ITプロジェクトはマネジメントが本当に難しく、納期に間に合わないといったプロジェクトは大手中小問わず、そこら中で散見されるのが実情です。外的要因などコントロールが効かないことも多いので、むしろ納期に間に合った成功プロジェクトの方が事例としては少ないのではないでしょうか。そのような状況で、遅れて出てきた製品の品質が悪ければ目も当てられません。その点、フューチャーアーキテクトは、納品物の品質には強いこだわりを持っています。
これも冒頭にあった、オーナー企業特有の人対人のカルチャーに由来していると考えます。もし単発で終わるようなプロジェクトであれば、品質悪くても納品してしまえばプロジェクトは完了です。しかし、企業間の関係をシステムの受発注といったつながり以上に強固なものにしていくためには、長期的な視野でものごとを考える必要があります。その点において、品質が高くトラブルの少ないシステムを製造するというのは、クライアントとの関係性を構築するにあたってベースとなる思想になっているようです。
品質といっても色々な品質がありますが、フューチャーアーキテクトが力を入れているのは移行品質です。SIerの開発プロジェクトでは、多くの場合クライアントは既存のシステムを利用していて、そこにある機能やデータを新しいシステムに移行していきます。移行作業は、業務を止めずに行う必要があったり、現新のシステム間で機能の差分を吸収しないといけなかったり、色々と考慮すべき点も多いことから、システム開発プロジェクトでは最もトラブルが起きやすいフェーズになります。
フューチャーアーキテクトは、段階的に移行してリスクを取らないようにするなど、移行作業に関しては力を入れて設計するようです。移行フェーズを細かく分けることは、クライアントのシステム費用を時間分散させる効果もあります。こういった計画を、一番最初の要件定義の時点で行うことで、プロジェクトの最後まで品質高く進められるように取り組んでいます。
弱み:情報共有ノウハウがあまりない
強みである一気通貫の生産方式の裏返しになりますが、社内の情報共有があまりされていないということが会社の弱みとして挙げられます。
フューチャーアーキテクトのプロジェクトは、小さなチームで5~6人、大きなチームで100人程度のようですが、特にスモールチームで一気通貫に仕事をすると、このクライアントのこのシステムはこの人しかわからない、ということが起きてしまいます。その人が十分なリソースで仕事ができるうちは良いですが、仮に転職していなくなったり、病気や怪我などで一時的に不在のときにトラブルが起きたときは、残りのメンバーでなんとかするしかありません。
大手SIerですと、このあたりの体制の組み方や情報共有の仕組みが確立されていたりするので、ある程度属人化は排除されていますが、フューチャーアーキテクトでは属人化が社内の課題になっているようです。横串組織として品質管理室といったものは置かれているようですが、業務レベルのノウハウ共有まではされていないようです。
展望:受託開発からの脱却
前段までで、フューチャーアーキテクトはものづくり品質を武器にトップセールスで案件を受託し事業を拡大してきた反面、そのコアであるものづくりの部分については非常に属人的であるという弱みがありました。これを打開するためには、人に頼らない、仕組みで設けるということが重要になってきます。すなわち、サブスクリプション型サービスへの移行です。
フューチャーアーキテクトは、そういった事業立ち上げのために、M&Aを積極的に行っています。例えば、東京カレンダーを買収し、ビジネス向けだけでなく一般消費者向けにも事業を展開しています。
M&Aの他にも、事業会社とのコラボレーションも進めています。例えば、アパレル大手のワールドと、ファステック・アンド・ソリューションズを立ち上げ、ファッション業界にITやテクノロジーを導入するプロジェクトを推進しています(詳しくはこちら)。
また、社内でもITコンサルティングや受託開発ではなく、新規事業の提案をしてリソースをシフトしている社員もいるようです。
事例は他にもありますが、やはり本業のシステムインテグレーションに比べると売上規模は小さなものになっており、事業会社としての伸長はまだこれからのようです。
フューチャーアーキテクトの働きがいと成長機会
開発力が身につく
フューチャーアーキテクトの成長機会は非常に多いです。特に、すべてを自社で開発しているので、社員全員がコードを書けるのが特徴です。大手のSIerに入ると、コードは全くと言って良いほど書かないことが多いので、技術力、開発力が身につくのがフューチャーアーキテクトの特徴の一つです。
とはいえ、5年ほど経つとクライアントとの折衝やスケジュール調整など、マネジメントの仕事の比率が多くなってくるのは事実です。プロジェクトの規模が大きいほど、分業も進んでコードを書かない社員も増えてくるでしょう。それでも、自分のキャリアパスとして開発に関わり続けるということは可能ではあります。
新しい領域へチャレンジできる
また、これまでやってこなかった技術スタックの仕事や、上記で少し触れた新規事業について、チャレンジする機会は多くあります。
社内ではアサイン会議というものが開かれ、マネージャーが社員の経験と希望を加味してプロジェクトにアサインしてくれます。他のITコンサルファームやSIerにも同じような仕組みはありますが、フューチャーアーキテクトにおける異動願いのエスカレーションはかなりシステマチックになっており、フォームに入力すると事業部長クラスの人が確認し、チャットに公開され、色々なチームのマネージャーとの面談が設定されます。
社内ですでに人脈があれば、行きたいプロジェクトのマネージャーに直接チャットすることもできます。部門の区分けが強くなく、風通しはかなり良いと思われます。
グループ会社に関しても同様で、たとえば先程の東京カレンダーに異動したいと届け出れば、事業会社への出向も可能となっています。というのも、すべての社員はホールディングスであるフューチャー株式会社に入社し、フューチャーアーキテクトへ出向する形になっています。そのため、人事的な手続き上、転職といった形を取らなくても、所属を変えることができるようになっています。
求められるレベルは高い
仕事選択の自由さの反面、コミットメントが求められる風潮はあります。個人の目標は現在の能力よりストレッチしたものが設定されることが多く、成長しなければやり遂げられない仕事がアサインされることも多いです。
社内では、役員クラスの人でさえも今年自分がどう成長したか語ってるいるような風潮です。半ば強制的に成長させられるカルチャーですね。
フューチャーアーキテクトのワークライフバランス
フューチャーアーキテクトのワークライフバランスは、若いうちは良い、です。
近年の環境変化から、若手については残業規制が厳しくなっており、早く退社するように配慮はしてくれるようです。
一方で、マネージャークラスになると、ハードワークを強いられる人も多いようです。ここは、やはりプロジェクトの難易度が高く仕事が多いというのと、成長を求める社内カルチャーが影響していると考えられます。
とはいえ全員が全員そうではなく、色々な事情で稼動を下げたいときは事情を説明すれば時短勤務や裁量労働などの制度も整っており、共働きの人などは利用しているケースも多いようです。
フューチャーアーキテクトの入社理由と退職理由
フューチャーアーキテクトの入社理由で多いのは、ITコンサルティングだけでなくコードも書けるから、というものです。
ITコンサルティングファームや大手SIerに入ると、自分でプログラムを書く機会はほとんどないと考えて良いでしょう。一方でフューチャーアーキテクトは自社開発のため、上流のコンサルからプログラマーまで幅広い仕事があるのがポイントです。
中に入ると、コンサルや業務改革を進めて行きたいというメンタリティの人が増えてくるようで、退職する人はコンサルティングファームに転職するケースが多いようです。具体的には、PwCやデロイト、アクセンチュアなどが挙げられます。
フューチャーアーキテクトの年収と待遇
フューチャーアーキテクトは、業界水準に合わせて、最近大幅なベースアップがありました。中堅クラスでは、一気に年収で150万円以上増えた人もいるようです。
新卒で入社すると、執筆現在では470万円からスタートです。そこから1~2年でOJT期間を卒業すると約100万円上がります。その後は、大体1年で50万円ほど上昇して行くイメージです。30歳頃になると、年収では800万円程になります。
その後、マネージャークラスになると1,000万円を超えてきます。その上、ディレクタークラスになると1,300万円~というイメージです。ディレクターになる人は、年齢で35歳~40歳以上で、マネージャーでステイする人もそこそこの数います。
転職でマネージャー以上で入ってくる人は比較的少ないので、フューチャーアーキテクトでキャリアアップしていくためには、若手のうちから技術力を身に着けて社内で実績を積んでいく必要があります。
まとめ(ズバリ!フューチャーアーキテクトのオススメ度)
ズバリ!フューチャーアーキテクトのオススメ度ですが、ITスキルを身に着けたい若手にとってはオススメ、です。
業務の幅はある程度あるものの、メイン事業は自社開発系のSIerですので、若手のうちは特にコーディングに割く時間も多いでしょう。プライマリーベンダーのSIerで開発経験が積める企業は少ないので、そこはポイントかと思います。逆に、そこを履き違えてミスマッチで辞めていく人もいるので、注意しましょう。
一方で、年収レンジでは大手企業よりは少し物足りないかもしれません。もっと給料を上げたいと願う場合は、フューチャーアーキテクトで3~5年ほど経験を積んで、Big 4やアクセンチュアにコンサルタント職、つまりマネージャーの一つ下のレベルあたりからジョインしてマネージャー昇格を狙うのが良いでしょう。ただし、コンサルファームに入るとハンズオンはほぼなくなりますので、開発が好きな人でもっと年収を上げたいならば、相当な鍛錬を積んで、大手のスタートアップやメガベンチャー系のエンジニアとして働く方が、ハードルは高いですがアップサイドは期待できます。
同じような職種では、アクセンチュアはITコンサルからエンジニアまで幅広く採用していますので、以下の記事も参考にしてみてください。