デロイトトーマツコンサルティングってどんな会社?評判から仕事内容、採用情報、年収、待遇まで徹底研究!
この記事では、デロイトトーマツコンサルティングを徹底解剖します。
よく「デロイト」と呼ばれるのですが、デロイトはグローバルブランドで、その下にトーマツ監査法人やコンサルティング、フィナンシャルアドバイザリーなどのグループ会社があります。この記事でデロイトと書かれていれば、以後デロイトトーマツコンサルティングと読み替えてください。
就活生にも非常に人気のデロイトトーマツコンサルティングは一体どんな会社なのでしょうか?一緒に見ていきましょう。
デロイトトーマツコンサルティングってどんな会社?
実はSIに力を入れ始めている
まず最初に、デロイトの組織を見ていきましょう。
デロイトの組織は、インダストリーとソリューションによって部門が構成されるマトリックスの組織になっています。これは他のコンサルティングファームでも見られる形態で特別ではないのですが、デロイトの特徴としては、デロイトトーマツコンサルティングとは別のシステム開発のための会社を立ち上げ、自社内で多くのSIプロジェクトを回せるように体制強化している点です。
デロイトは、かなりアクセンチュアを意識しています。デロイトはBig 4の中では最大手ですので、次の標的はアクセンチュア、ということなのかもしれません。
つまり、会社としてエンジニア採用を増やして、ITプロジェクトの受注を増やし、かつ外注による利益の流出も防ぐ、つまりは利益率よりも売上伸長を目指す経営戦略のようです。
実際に、日本にもデロイト トーマツ アクト株式会社とデロイト トーマツ ノード合同会社の2社があります。アクトが運用保守、ノードが開発向けです。現在はこの2社で技術者を採用し大型のSI案件の取得に動いています。
デロイトはその規模が大きくなり、グループ会社も沢山ありますので、まず最初に、それぞれを組織を正確に抑えるようにしてください。
グローバルデリバリーモデル
Big 4の他のファームと比較すると、最大手であるが故に、社内のプロジェクト体制やグローバルデリバリーモデルがしっかりしていることが特徴です。
たとえばBig 4の2番目の規模であるPwCは、開発拠点や開発部隊は持っておらず、エンジニアリングはほぼ外注によってまかなっています。
一方でデロイトは、中国に開発拠点を持っていたり、グループ内に必要なリソースがありますのでプロジェクトのコントロールが効きやすいという特徴があります。
デロイトトーマツコンサルティングの社風
社員のコミットメント
他ファームに比べて、自立心の強いスタッフ(一般社員)が多い傾向にあります。
したがって、プロジェクト推進においてはあまり細かく管理をしなくても、ある程度自走できる組織になっています。
これは、上述の定型化されたデリバリーモデルがあることに加え、人事制度も影響しています。というのも、デロイトは基本的に裁量労働制のため、残業をしても手取りが変わることがありません。そのため、社員は自分の仕事を効率的に遂行することを自分で考えることになりますし、時間を意識して働くことがないので定時なので仕事が終わってなくても帰りますというタイプの人が少ないのが事実です。この点は、アクセンチュアとは対照的です。
パートナー同士の仲が良い
この表現は語弊を招くかもしれません(笑)。
いわゆるマトリックス組織の場合、それぞれの部門で最も力を持っているのは、組織を率いるパートナーです。すると、案件がマトリックスの交差点、つまり複数のインダストリーとソリューションに跨ると、覇権争いが始まります。
通常、案件を受注するとそれぞれの貢献割合に応じて実績が振られます。インダストリーのパートナーはクライアントからの案件に対してソリューションのチームを加えたいですが、ソリューションのパートナーが権利を主張したりすると、元請けしたのは自分なのに何故?となりますね。ではそうならないように、インダストリーのチームではありますが、ある程度ソリューションを持った社員を囲っておこうとか、そういう発想になっていきます。これは組織として、囲われる個人として、あまり良い状況ではないですね。
一方、デロイトでは2部門が絡んで受注すると、それぞれ受注金額の100%ずつが実績として評価される仕組みです。そのため、インダストリーにソリューションのリソースを持たせておくこともしませんし、パートナーは他のパートナーと覇権争いをするより、協力して案件を取った方がお得だということになるので、少なくとも表面上は仲良くしているということです(笑)。デロイトでは、インダストリーとソリューションが協業することを前提としている、つまりマトリックスが機能している組織と言えます。
デロイトトーマツコンサルティングの強み、弱み
デロイトの強みは、やはり日本の中では一番のネームバリューとグループ会社の規模が大きいことです。そのため、やはり人材獲得になると最も競争力が強いです。
一方で、会社としての弱みは、ブランドである程度仕事が取れることから、具体的な施策があまりないことでしょうか。
最近ではSIを強化する方針というのは出ていますが、拡大するにしてもどういった分野に注力するのか、どういったアプローチでやっていくのか、といった観点が、社外情報等からはあまり読み取れない、という感じがします。アクセンチュアのように拡大しても、SIではアクセンチュアには及ばないので、どういった文脈で拡大していくのかは気になります。
なぜこれが重要かといいますと、会社の事業方針を決めるための価値観は、社員に長く働いてもらう、つまりは社員のエンゲージメントを上げる重要なファクターになりつつあるからです。
実際、デロイトに限った話ではありませんが、入社から同じ会社で働いて昇進した生え抜きのパートナーはほとんどいませんし、パートナーがクライアントや他の社員ごと他のファームに移るようなことも日常茶飯事です(ひどいケースでは訴訟問題にもなっています)。すると、組織は個人商店の集まりとなり、組織として一つである理由が保てなくなります。
隣のファームでポストが空いたので異動するといった感じでホッピングしていれば、自分は良い待遇が維持できるかもしれませんが、下についている優秀な社員のコンサル離れが進むのはこれが原因かもしれませんね。
デロイトトーマツコンサルティングの仕事
デロイトの仕事内容は、基本的には他のコンサルティングファームやBig 4と大きくは変わりません。人材も流動的ですので、転職した人も、ほとんど変わらないと仰るケースがほとんどです。
その中でもデロイトは、方法論がしっかりしているのが特徴です。社内の標準的な方法論や考え方が明確に定義されています。たとえば、プログラムや標準的なタスク一覧、成果物のフォーマットなどです。個人として、何か必要になったときにゼロから作らなくてもテンプレが活用できるのは非常に効率的です。
これは会社としても提供価値の品質を落とさない仕組みがあるのは良いことです。特に、コンサルティングビジネスは労働集約型モデルのため、一度不採算案件が出てしまうと、同じ案件でリカバリーするのはほぼ不可能です。規模が大きくなるにつれ、失敗プロジェクトというのはできる限り減らしていく取り組みが必要になります。デロイトはその点、他社に比べて進んでいる印象を受けます。
デロイトトーマツコンサルティングの働きがいと成長機会
デロイトは社員の昇進に関して寛容な文化です。普通にパフォーマンスを出していたら、普通にプロモーションしていくイメージです。
そのため、同じスキルセットと経験でも、他のファームで働いている社員より1つタイトルが上になることもあるようです。
デロイトトーマツコンサルティングのワークライフバランス
デロイトのワークライフバランスは、良いとは言えません。
裁量労働になるため、時間を意識しないで働く人が多く、結果として長時間労働の人が多い印象です。
それに、やはりコンサルタントとして働くにあたっては、クライアントに対してサービス提供するために、どうしてもクライアントを中心に考えざるを得ないです。これはコンサルティングファームに一般に言えることかもしれませんが、どうしても仕事の波は発生してしまいます。
デロイトトーマツコンサルティングの入社理由と退職理由
Big 4では、Big 4の会社間での人の行き来が非常に多いです。デロイトについても、入ってくる人は他のファームから転職して入ってくる人が非常に多いです。
仕事の内容も待遇も大きく変わらないのに転職する意味は、人間関係の改善です。仕事を大きく変えずに、人間関係を変えることができることがポイントです。
退職する場合も、同様の理由で他のファームに行くことが多いです。
デロイトで働いている社員の場合、平均年齢がやや高めという理由もあると思われますが、新しいチャレンジをしたいと言って事業会社に行く人は少ないようです。他のファームより大手志向の人は多いかもしれません。
デロイトトーマツコンサルティングの年収と待遇
言わずもがな、デロイトの年収は高いです。
新卒で入社するとビジネスアナリストになり、年収は550万円~600万円あたりからスタートです。
その後、コンサルタントで700万円~、シニアコンサルタントで1,000万~、マネージャーで1,200万円~、シニアマネージャーで1,600万円~ほどとなります。
まとめ(ズバリ!デロイトトーマツコンサルティングのオススメ度)
ズバリ!デロイトトーマツコンサルティングは「コンサル志望の人にはとてもオススメ」です。
デロイトはブランド力も強く、優秀な社員も多いので、コンサルタントとしてのクライアントワークを学ぶにはとても良い環境です。年収も高く、比較的昇進も早めです。
デロイトは他社に比べてワークライフバランスが整っているわけではありませんが、逆にある程度厳しい労務環境を経験できるのも、長い人生良い経験になると思います。特に新卒から入社した最初の3年間で、自分の労働感など基本的なものの考え方がある程度固まってしまうこともあります。最初は、研修を沢山受けたり残業のないぬるま湯環境で仕事をするより、コンサルタントとはこういうものだ、という仕事を積極的にこなす方が、キャリア全体で考えるとプラスになると思います。
気になる人は是非チェックしてみてください。