ベイカレント・コンサルティングってどんな会社?評判から仕事内容、採用情報、年収、待遇まで徹底研究!
この記事では、ベイカレント・コンサルティングを徹底研究します。
もとの創業は1998年と20年以上の歴史のある会社ですが、2014年にMBO、2016年に上場、現在は上場時の約20倍の時価総額をつけている、今ノリにノッているコンサルティングファームです。
それもあってか、就活生からの人気も非常に高いです。
ベイカレント・コンサルティングとは一体どんな会社なのか?詳しく解説します。
ベイカレント・コンサルティングってどんな会社?
玉石混交のコンサルティング業界ですが、ベイカレントにはどんな特徴があるのでしょうか?
ワンプール型組織
ベイカレント・コンサルティングは、ワンプール型組織を採用しています。
ベイカレント・コンサルティングには部署というものが存在せず、入社すると新卒社員も中途社員も全員ひとつのプールに所属します。それから、案件ベースで社内でリクルーティング活動が行われ、関わるプロジェクトを人事担当者と相談していくことになります。
ワンプールには以下のようなメリットがあります。
ワンプールのメリット
- インダストリーやソリューションを跨いだ幅広い仕事ができる
- 自由なキャリアパスを描くことができる
- 上司部下といった上下関係がない
一方で、以下のようなデメリットもあります
ワンプールのデメリット
- 自分のキャリアの責任は100%自分にある(結局は全てそうですが、それが露骨に現れます)
- スキルアップや経験を積むために、自ら研修を受けるなど主体的な行動が必要
主な特徴について、それぞれ解説していきます。
インダストリーやソリューションを跨いだ幅広い仕事ができる
多くのコンサルティングファームはパートナー制を導入しており、それぞれのインダストリーやソリューションを軸にした部署を、パートナーが統括しているという組織になっています。この場合、社員はいずれかの組織に所属し、その組織が受託した案件を実行していく形になります。
一方でワンプール制の場合は、案件ごとに社内でリクルーティングが行われます。そのため、社員にとっては、業種を狭めることなく、色々な案件に関われるチャンスがあります。
ベイカレント・コンサルティングはまさにこのワンプール制を採用しています。実際には、特定のセクターに関わってきたことが評価され、同じセクターの案件を中心に入っていくということはありますが、社内の仕組みとして縦割りの組織がないため、極端に言えば、戦略系の案件からオペレーション、ITの案件まで、手を挙げることができます。
とは言っても、実際に本当にやりたい案件に入ることができるのか?そんな自由に選ぶことができるのか?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
確かに、案件は水物ですので、タイミング次第という要素もあります。しかしベイカレント・コンサルティングでは、一人ひとりのコンサルタントに対して、人事担当者が1人ずつ割り当てられます。テレビ業界でいう、タレントにつくマネージャーみたいなイメージですね。このマネージャーが、それぞれのコンサルタントが希望に沿った仕事ができるよう、またそれぞれの仕事でしっかりとパフォーマンスを発揮できるよう相談に乗ってくれます。
上司部下といった上下関係がない
ワンプールを採用したベイカレント・コンサルティングでは、上司部下といった上下関係がありません。究極的にプロジェクトドリブンな会社です。
最近では職場で上司との関係でストレスを抱える人も増えてきたので、その点では良いと思います。
一方で、仕事のやり方を詳しく親身に教えてくれる先輩のような人がいないため、新卒で入った社員には自ら学ぶ姿勢や強い主体性が求められます。
さすがに未経験のコンサルタントを現場に送り込むこともできないため、最初はパートナーやマネージャーの下でドキュメントの作成、議事録の作成といった社会人としての基礎スキルから身につけていくようですが、ある程度能力がついてきたら、色々な案件に放り込まれます。
また、研修はあるので、それを受講することは可能です。
こういった自由な組織では、コンサルタントは目の前の案件に集中することができ、中途社員の満足度は比較的高めです。
新卒社員の場合は、自ら向学心を持って色々な経験を積んでいく人とそうでない人の差が大きくついていきます。ワンプール制は、完全な実力主義の環境ともいえます。
ベイカレント・コンサルティングの社風
ベイカレント・コンサルティングは、非常に活気のある職場です。
こちらのサイトによると、ベイカレント・コンサルティングの平均年齢は約33歳で、総合ファームにしては比較的若いです。
また、年功序列などはなく、結果を出せば上がっていける実力社会ですので、組織に対して不平不満を言うのではなく、やってやるぞ!という人は多めです。
ベイカレント・コンサルティングの強み
ベイカレント・コンサルティングではワンプール制を採用していますが、それが直接会社の強みになります。というのも、部門の縦割り組織では難しい、部門を横断したプロジェクトが遂行できるからです。
例えば、大手のコンビニが銀行事業をやりたいとなったときに、通常の縦割りのコンサルファームに引き合いが来た時は、それまでコンビニや流通、小売セクターを中心にやってきた部門が受けるのか、銀行事業ということで金融セクター中心の部門が受けるのかモメたり、最適なプロジェクトチームが組成できなかったりします。
一方で、ベイカレント・コンサルティングのようなワンプール型組織の場合、コンビニや流通、消費者動向に詳しいコンサルタントと金融事業に詳しいコンサルタントを集めて来て最適なプロジェクトチームを作ることができます。
ベイカレント・コンサルティングの弱み
一方で、ワンプール制の弱点もあります。というのは、プロジェクトを組成しようと思ったときに、必要なスペシャリティを持った人が集まらなかったりすることです。
インダストリー毎に部門を持っているコンサルティングファームは、やはり専門性は深いです。例えば上記の銀行事業をやりたいコンビニのケースでは、金融セクターをしっかり持っている組織には負けてしまう可能性はあります。
インダストリーの軸以外にも、SAPなどのパッケージ導入、AIやブロックチェーンなどの先端技術などソリューションの軸もありますが、プロジェクトの性質がクライアントの課題解決ではなく、そういったソリューションの当て込み色が強いプロジェクトの場合は、やはり専門部隊を持っているコンサルティングファームに軍配が上がります。
また、専門性の高い人がいたとしても、その人のリソースが逼迫している場合にはその人を割り当てられないこともあり、案件を組むときは常に「ベストフェート」となります。
ワンプールの背景にある経営思想(想像)
これから大規模で長期の案件を受託し、会社として大きく成長していきたいと考える場合には、上記の弱みで述べた理由から、その時々で刹那的に案件が組成され終了してしまうワンプール制は弊害になることがあるかもしれません。
しかしながら、ベイカレント・コンサルティングはが上場してまでワンプール制にこだわっている理由が必ずあるはずです。
パートナーの方に直接ヒアリングしたわけではないので想像になってしまいますが、そもそも「コンサルタントとは何か?」という思想そのものが影響していそうです。
従来のコンサルタントのイメージって、どんな感じでしょうか?何でも知っていて、聞けば丁寧に教えてくれて、データ分析にも長けていて、客観的なアドバイスをくれる、そんな存在ではないでしょうか?
しかし実際には、特にここ近年においては、そういった従来のコンサルティングの案件はかなり小規模化してきており、クライアント企業の経営計画の実行支援に人が必要だからという理由で雇われるケースが非常に増えてきています。
ベイカレント・コンサルティングでは、コンサルティングの考え方として、従来の戦略コンサルで見られたような「顧客以上の専門知識」は必要ではないと考え、それよりむしろヒューマンスキルが高く、幅広い経験を持ったコンサルタントが色々な観点からクライアントの望む結果を得られるよう支援するべき、といった考え方が強いように感じます。
もちろんベイカレント・コンサルティングには戦略プロジェクトもあり、一部は専門性を求めて雇われるケースがあるとは思いますが、数として、またニーズとして強いのは、汎用的なコンサルティングワーク、例えばドキュメンテーション、プレゼンテーション、プロジェクト推進、などが求められているように感じます。
ベイカレント・コンサルティングは上場を果たし、その認知、知名度、資本から優秀な人材を大量に獲得できれば、一部の専門性を必要とするプロジェクトは捨てても、実行支援によってクライアントの信頼が獲得できるのではないかと考えているように感じます。
ベイカレント・コンサルティングの仕事
ベイカレント・コンサルティングはプロジェクトドリブンなだけあって、幅広い案件を受注しています。
その中でも比較的割合として多いのは金融分野です。やはり金融機関は大手企業になり、他のインダストリーに比べると予算規模が桁違いに大きいため、コンサルタントを雇う頻度も高くなります。
ソリューションの観点では、戦略コンサルからリサーチ、業務コンサル、ITコンサルまで幅広いです。パッケージ導入やプロジェクトPMOといった仕事も沢山あります。割合としては、実行支援系の案件が多いようです。
戦略コンサルは必要なスキルセットやビヘイビアが特殊であることから、他のコンサル案件とは一線を画しているところはあります。戦略コンサルとは、例えばクライアントの中期経営計画策定を手伝ったり、新規事業としてマーケットインのやり方等を検討したり、色々な案件があります。
業務コンサルでは、目的や日程だけ決まっていて、内容が決まっていない業務をゼロから構築するようなプロジェクトなどもあります。他にも、最近ではオフラインの業務をインターネットを介してオンラインに構築するであったり、企業内に閉じた話ではなく、かなり幅広い範囲でコンサルティングを行うことも多いです。オペレーションの構築だけのこともありますし、収支として成り立つかどうか財務的な観点まで入り込むこともあります。
ITの案件では、プロジェクト支援やツールの導入など、こちらも他社と同様に幅広い案件を受注しているようです。一方で、エンジニアリングはあまり強くないようです。
これだけ幅広い案件を、専門部隊を持たないワンプール型の組織で対応していくためには、社員一人ひとりのスキルの向上が欠かせません。やはりベイカレント・コンサルティングは「コンサルタントとは何か?」という考え方がしっかりしているように感じます。
ベイカレント・コンサルティングの働きがいと成長機会
ベイカレント・コンサルティングは案件の幅が広いとはいえ、やはり前向きに取り組める案件、つまり面白い案件と、そうでない案件もあります。その点では、働きがいを感じられるタイミングには波があると言えるでしょう。
しかしながら、長期的な視野で考えた場合には、自分のやりたいことを実現しやすいという意味では、働きがいや成長機会は自分次第で得ることができる職場です。
完全な実力主義とは言えど、上場会社としての責任もあり長時間労働はあまり良しとされない文化で、社員を守ろうとする傾向は強めです。
また、研修も充実しています。基本的な成長機会は実際のプロジェクトを通したOJTになりますが、クライアントのインダストリーの研修や、DX関連の研修、英会話なども準備されているようです。これも、受けるかどうかは自分次第ということになります。
ベイカレント・コンサルティングのワークライフバランス
ベイカレント・コンサルティングのワークライフバランスは、比較的良いです。
社風として活気があり、上昇志向の強い社員が多いことからワークライフバランスよりもコミットメント志向になりがちですが、残業時間は月45時間の制限があり、長時間労働をしたくてもあまりできない風潮ではあるようです。
ベイカレント・コンサルティングの入社理由と退職理由
ベイカレント・コンサルティングは、その年収の高さと幅広い業務が経験できるということから、ありとあらゆる業界から人が入ってきます。
中には総合商社や官公庁といった人もいるようです。特に現在は人を大量に採用しているため、入りやすいということもあると思われます。
一方で辞めて行く人は、新しいチャレンジがしたいといったポジティブな理由で辞めていくケースが多いようです。例えばベンチャーに行って新規事業をするとか、または戦略ファームにキャリアアップを目指す人もいます。社内にも戦略案件はありますが、前述の通り戦略とそれ以外は一線を画しているため、戦略以外のスキルの場合は簡単には関われないようです。
他にも、VCやPEなどコンサル出身者が多い業界というものには、ベイカレ出身者も多く転職しているようです。
ベイカレント・コンサルティングの年収と待遇
ベイカレント・コンサルティングの年収は、他のコンサルティングファームと大きく変わりません。つまり、年収は高いです。
こちらのサイトによると、平均年齢が約33歳に対して平均年収が約1,100万円となっています。新卒の年収は350万円~600万円ということで、かなり幅があるようです。ここでも、実力主義が見え隠れしますね。
入社すると、年間で大体50~100万円程上昇して行き、昇進すると更に大きく上昇します。3年ほど経験を積むとコンサルタントに昇進し、その後、30代前半~半ばでマネージャーというのが王道コースかと思われます。マネージャーの年収は1,200万円~1,500万円ほどで、こちらも他のITコンサルファームと大きく変わりません。SIerに比べると格段に良いと思います。その上はシニアマネージャーとなり、最低1,500万円~1,600万円など、そのくらいの水準です。
まとめ(ズバリ!ベイカレント・コンサルティングのオススメ度)
ズバリ!ベイカレント・コンサルティングは「成長意識の高い人、どんどん仕事をやりたい若手」にオススメの会社です。
年収で見ると、タイトルに応じた金額は、アクセンチュアやBig 4と同等レベルで、ほとんど変わりません。ただ、ベイカレント・コンサルティングの方が実力主義という傾向が強く、若くして昇進するケースも散見されます。中には28歳で年収1,200万円を取っていた社員もいるようです。
したがって、コンサルティングビジネスが好きな人、または成長意欲の高い人にはとてもオススメの職場です。
一方で、協調性の強すぎる人、昇進意欲の低い人、コンサルではなくものづくりが好きな人、にはあまりオススメできません。ベイカレント・コンサルティングの業務は、とにかくコンサルティングです。コンサルティング案件を、とにかく沢山やっていくことになります。仕事内容としてコンサルティングが合わない人には向いていない会社かと思います。
なお、ワンプール組織を採用している会社は少ないですが、ライズコンサルティングもワンプールを採用している数少ない組織です。興味があれば違いなどを比較しながら読んでみてください。