OB訪問の依頼時に送るメールの書き方まとめ

OB訪問のメールのやり取りはとても緊張しますよね。

  • OBの方とどう連絡を取れば良いかわからない
  • どのような内容を書けば失礼がないのだろうか

などと悩む方もいらっしゃると思います。

忙しい社会人へのOB訪問の依頼は、メールで行うのが望ましいとされています。最近ではSNSで連絡を取ろうとする学生もいるようですが、やや砕けた方法のため相手によっては「カジュアルすぎる」「マナーがなってない」などと受け取られてしまう場合もありますし、メールにやり取りを残すことでトラブルを未然に防ぐこともできます。相手との間柄にもよりますが、貴重な時間を割いてもらうわけですので、失礼のない文面でメールを送るべきです。

今回は、OB訪問の依頼メールの基本マナーや注意すべき点をお伝えします。

OB訪問で送るメールの書き方 

OB訪問のメールのやりとりは、3つのステップで考えるとわかりやすいです。それは、依頼・確認・お礼です。

この3ステップさえ抑えておけば、失礼なことはありませんので、安心してくだいね。

一つずつ解説していきます。

依頼メール

OBに「あなたにOB訪問したいです。」という意思を伝え、アポイントを取得する為のメールです。

大学のキャリアセンターで調べた相手でも、ゼミやサークルの先輩でも、どのような相手でもまずは自分の訪問の意思を伝えましょう。

確認メール

会う時間・場所・方法を確認するためのメールです。

依頼メールに返信が来てOKをもらえたら、日時や場所を確認しましょう。相手のメールにそれらが示されていた場合も、確認の為に送っておくと安心ですね。また訪問の前日にも、リマインドの意味を込めて、確認メールを送っておくのが理想的です。

お礼メール

訪問を終えた際にお礼を伝えるメールです。

貴重な時間を割いてもらったことに対して、改めてメールでもお礼を伝えましょう。その際には、とりわけ印象に残っているエピソードなど、相手から学んだ内容も具体的に伝えましょう。

以上がOB訪問メールの3ステップです。こうした手順をきちんと踏まえた上で、次に紹介するメールのマナーを実践して行きましょう。

メールマナーの基本  

社会人にメールを送る以上、「このメールで失礼に当たらないか」という心配はいつもありますよね。

そんな方のためにメールマナーの基本をお伝えします。メールは徐々に慣れていくものなので、すぐに完璧なメールが作れなくて当たり前です。焦らず、数をこなしながら学んでいってくださいね。まずは基本の構造を抑えておきましょう。

① 宛先

メールアドレスはできるだけ、コピー&ペーストしましょう。自分で入力すると、打ち間違えるリスクがあります。また間違った内容の送信を防ぐために、件名や本文を書き終えて、最終チェックが済んでから、最後に宛先のアドレスを入れるようにした方が良いでしょう。

② 件名

用件がわかりやすいタイトルをつけ、学校名・氏名も入れるようにしましょう。

OB訪問の依頼を何度も受けている方もいますが、その際に学校名・氏名が件名に入っていると検索しやすいので、配慮しておくと良いでしょう。学部や学科まで入れると表示幅に収まらない可能性もありますので、所属は学校名までで十分でしょう。

件名の例

  • 相手が男性の場合:「OB訪問のお願い(●●大学/氏名)」
  • 相手が女性の場合:「OG訪問のお願い(●●大学/氏名)」

③ 宛名

「株式会社」や「有限会社」は略さずに書きます。その後、部署名・役職・相手の名前の順で入力しましょう。

役職が不明の場合は省略してOKです。社名や相手の名前を間違えるのは大変失礼です。漢字まで丁寧にチェックを行い、誤字や脱字には特に注意してください。中には旧漢字など間違いやすい場合があります(斉藤 or 斎藤 or 齋藤、渡辺 or 渡邉 or 渡部、など)。紛らわしい場合は、相手が書いた漢字や引用元からコピペするようにしましょう。

④ 本文

挨拶文(「初めてメールを送らせて頂きます。」や「お世話になっております。」など)+名乗り(学校名・学部・学科・フルネーム)をはじめに入れましょう。

その後、本題に入ります。メールの文章は、1.2文ごとに改行すると読みやすくなります。具体的には20~30字ごとに折り返すのが良いでしょう。また1段落ごとに空白の改行を入れると、意味のまとまりがわかりやすくなります。内容的に区切るとわかりにくい場合は無理に改行することはありませんが、自分で読み返した時に、一番読みやすい形にしておくように意識しましょう。

メール文章の書き方は人によって特徴がありますので、どう書けば正解ということはありません。相手の癖に合わせて書くと相手は読みやすいので、単純に真似をしてみても良いでしょう。複数の人とやり取りをしたら、自分が最も丁寧だと思う人のやり方を真似ていくという方法もあります。

⑤ 署名

予めテンプレートとして登録しておくと、間違えることもなく便利です。氏名、学校名・学部・学科、連絡先(メールアドレスと電話番号)を入れておきましょう。記号などで飾り立てる必要はないので、端的で相手が読みやすい署名にすることを心がけましょう。

OB訪問のメールに記載すべき内容 

依頼メールの内容とサンプル

依頼メールは相手へのファーストコンタクトとなるメールです。好印象を残しながら、「是非あなたの話を聞きたい!」という熱い思いを伝えましょう。端的でわかりやすいメールにすることが鉄則です。

訪問の目的を伝える

依頼メールで最も重要なことは、目的を伝えることです。

「企業・業界の理解を深めたい」「就活の体験談を聞きたい」「実際に会社で働くイメージを持ちたい」など、様々な意図があると思います。自分がどのような理由で、どのようなことを聞きたいのか、依頼の段階で伝えておきましょう。

OB訪問の受け手がまず考えることは、「OB訪問の相手として自分はふさわしいのか?」ということです。何でもかんでも話を聞きたい!というスタンスではなく、具体的にどういった内容の話を聞きたいのか伝えることで、もしミスマッチだった場合に余計な時間を取らなくて済みますし、相手によっては親切に準備をしてくれる方もいらっしゃるかもしれません。

都合の付く日程と所要時間を提示する

事前に相手方にOB訪問の依頼があることが伝わっているなら、メールのやり取りの回数を省略するためにも、依頼メールの時点で希望日程の候補を提示しておきましょう。

希望日程の提示について気を付けたいことは下記の4点です。

  • 相手の会社の就業中の時間帯から選ぶ(相手の都合によりますが、最初から夜間や休日を指定することは控えた方が良いです)
  • メール送信日から、おおよそ1〜2週間を目安に提案する
  • 幅広い時間帯で、最低3つの日時を提案する
  • 全体の所要時間を伝えておく

依頼の段階で相手の仕事の繁忙期まではわかりませんので、基本的には「相手はとても忙しい」という前提で連絡する方が良いでしょう。したがって、約束の日時を直近で指定したり、ピンポイントの日時や時間帯で依頼したりすることは避けるようにしましょう。また、一度提示した日程は、予定が確定するまでは空けておくようにしましょう。

訪問手段を記載しておく

オンラインで話したいのか、実際に対面で会いたいのか等、希望のコンタクト手段を提示しておきましょう。どちらでも良いという場合は、そのように伝えて相手に選択してもらいましょう。

熱意を書いておく

特に業界や会社について興味関心のある内容や、なぜ相手に会いたいのかを書くと、熱意が伝わりやすいメールになります。

依頼メールの例

【件名】

OB訪問のお願い(●●大学・氏名)

【本文】

○○会社
▲▲営業部△△支店
**様

はじめまして。
●●大学△△学部○年の【氏名】と申します。

本日は**様へOB訪問のご依頼のためご連絡させて頂きました。
現在、私は○○年4月の入社に向け就職活動をしておりますが、●●業界に興味を持ち、△△についての理解を深めていきたいと考えております。
特に貴社の▲▲のところを大変魅力的に感じております。

その折りに、【○○(連絡先を知った経緯)】にて**様のご連絡先を知り、この度ご連絡させて頂きました。
お忙しい中大変恐縮ではございますが、是非一度お話をお聞かせ頂けますと幸いです。

先んじて、私の都合のつく日時をお伝えさせて頂きます。

・○月△日 10:00~16:00

・○月×日 14:00~17:00

・□月△日 10:00~16:00

所要時間につきましては、●分ほどを想定しております。
また××の都合上、当日は【オンライン/対面】でお話しさせて頂けますと幸いです。

唐突なお願いで大変恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いでございます。

何卒宜しくお願い致します。

———
●●大学△△学部○年
氏名(ふりがな)
Mail:
TEL:
———

確認メールの内容とサンプル

依頼メールの後、OB訪問に承諾をもらって日時が決まったら、次に送るのが確認メールです。

確認メールでは、下記2点を記載すると良いでしょう。確認メールの次は実際の訪問となりますので、お互いの認識が一致していることを確認します。

日程・時間・場所の確認

日時と方法が決定したら、確認を必ず行いましょう。箇条書きで記載するとすっきりとわかりやすい文面になります。

また、訪問日の前日にはリマインドメールを送っておくと安心です。「急に大事な商談が入ったのに、学生に連絡するのを忘れていた。」など、当日に日を改めなければならなくなる事態を防ぐ為です。相手にとってOB訪問は約束の一つではありますが、業務上のプライオリティは低いため、依頼する側が配慮するようにしましょう。

また、オンラインでの訪問の場合は場所の代わりにWEBミーティングを行うURLを送っておきましょう。相手が当日になってメールを探す手間を省く為の配慮です。

質問内容を事前に示しておく

当日聞きたいことや教えて欲しいことを予め示しておくと、相手も内容をイメージしたり準備することができ、より深い話を聞けるでしょう。こちらも箇条書きで書くことをお勧めします。

ただし、漠然と聞きたいことを全てを列挙するのではなく、重要なもののみ3つ程度にまとめて書いておくのが良いでしょう。

確認メールの一例

【件名】
Re:OB訪問のお願い(●●大学・氏名)

【本文】
***さま

お世話になっております。
●●大学△△学部○年の【氏名】です。
この度はお忙しい中、OB訪問をご快諾いただきまして、誠にありがとうございます。

下記日程でご都合がつくとのこと、承知いたしました。
当日のオンライン会議のURLも併せて送らせて頂きます。

日時:○月△日 15:00~16:00
オンライン会議のURL:【URLを記載】

また当日は下記の点について伺わせて頂きたいと考えております。

・**様が就職活動をされていた際に、どのような軸を持ち、貴社を選ばれたのか
・今まで働かれた中で、一番大変だった経験は何か
・**様が考える、貴社の魅力は何か

それでは当日、お会いできるのを楽しみにしております。
どうぞ宜しくお願い致します。

———
●●大学△△学部○年
氏名(ふりがな)
Mail:
TEL:
———

お礼メールの内容とサンプル

OB訪問が終わった後は、必ずお礼メールを送ります。このメールでは、忙しい中時間を作ってくれたお礼と共に、その訪問で学んだことや気づいたことを相手に伝えるようにすると、相手もやってよかったなと感じてくれます。

①丁寧にお礼を伝える

相手は通常業務で忙しい中、時間の合間を縫って皆さんの訪問に対応しています。失礼の無いよう、丁寧にお礼を伝えましょう。

また訪問したOBの方とは、今後もお会いする可能性があります。もしかしたら他の社員さんとつなげてくれることもあるかもしれません。ご縁を大切にしましょう。

②OB訪問で学んだことを具体的に伝える

当日の相手の話から、どのようなことを感じ、学んだのかまで伝えられると、単にありがとうございますという言葉だけよりも感謝の気持ちが伝わりやすいです。

OB訪問を通してどれだけ業界・企業理解が深まったのか、どんなことに気付き、これからどのように就職活動を続けていくのかなどを伝えましょう。

お礼メールの一例

【件名】
OB訪問のお礼(●●大学・氏名)

【本文】
○○会社
▲▲営業部△△支店
**様

いつもお世話になっております。
●●大学△△学部○年の【氏名】です。
本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴致しまして、誠にありがとうございました。
**様のお話を伺い、今まで以上に●●への理解が深まり、益々貴社への志望度が上がりました。
とりわけ、△△のエピソードについては、自分の考え方が浅かったことに気付かされ、キャリアを考える上で新たな発見をすることができました。
重ね重ね、お礼申し上げます。
今後とも、何卒宜しくお願い致します。

 ———
●●大学△△学部○年
氏名(ふりがな)
Mail:
TEL:
———

OB訪問後に音沙汰がないというケースは非常に多いです。連絡がなくても気にしない人もいると思いますが、お礼を言われて気分を害する人はいませんので、必ず送ってください。また、お礼メールは訪問の当日中(ないし訪問時刻が遅かった場合には翌朝10時頃まで)に送るようにしましょう。相手のお話を伺いながら、印象に残った言葉などをメモしておくと、スムーズにメールを作れるでしょう。

また、お礼メールに加えて、その後の就活の進捗などもメールをすると、相手もフェーズごとにアドバイスをくれるかもしれません。相手の話を受けてどういう変化があったのか、ということを積極的に伝えてみるのもお勧めです。

OB訪問のメールで注意すべきこと 

メールの返信は出来るだけ早めに! 時間帯にも注意

メールの返信は出来るだけ早めに行いましょう。メールだとしても、相手を待たさないのがマナーです。基本的にはその日のうちに、遅くとも翌日には返しましょう。内容によってすぐに返信することが出来ない場合は、「●日までにお答えさせて頂きます」など、簡単な返信でも構いません。

また夜間や休日にメールを送るのは避けた方が良いでしょう。メールを見られない可能性もありますので、相手の会社の営業時間に送るようにしましょう。しかしながら、翌朝の予定などで急を要する場合は、夜間でも出来るだけ早めに連絡するようにして下さい。その際には、「夜分に失礼いたします」などの一文をメールの冒頭に入れるようにしましょう。

無礼のない文章に

内容や表現に失礼がないか、適切であるかは十分に注意して下さい。あまりにも不適切だと、「文章を見直してないな」「常識がないな」といった印象を与えかねません。

実際は、相手もこちらが学生であることは理解しているので、敬語の使い方等に多少の間違えがあっても怒ったりはしないでしょう。ですので、完璧な日本語にこだわりすぎる必要はありません。誠意が伝わり、読みやすい文章であれば問題はないでしょう。

自分の文章が不安な場合は、身近な社会人に添削してもらうと良いでしょう。

最後にしっかりと校正を

メールを送信する際は、宛先から署名まで、必ず読み返しましょう。

誤字や間違えは、相手からの印象が悪くなってしまいます。特にOB訪問を複数行う予定の方は、「他のOB訪問と勘違いしてしまった」なんてことがないように気を付けて下さい。相手の企業名やお名前は、間違えると大変失礼に当たります。特段の注意を払いましょう。

まとめ 

いかがでしたでしょうか。

OB訪問は、業界や企業のことを知る絶好のチャンスです。自身もいち社会人として振舞うことになるので、最初は緊張するかもしれませんが、最低限この記事にあるマナーを守り、誠意を込めて対応すれば、先輩方はきっと暖かく迎えてくれるはずです。

学生からのアプローチは嬉しいものなので、安心して、その中でも礼儀はしっかりと守って、楽しむ気持ちで挑んでみてください。

OB訪問が無事終わり、皆さんの就職活動が成功を収めることを心より願っています。