面接の自己紹介で良い印象を与える方法
どんな職種でも、面接の冒頭で「自己紹介をしてください」と言われるケースが多いです。
ここで重要なのは、個性的でユニークな自己紹介をする必要はないということです。伝え方のコツさえつかめば十分良い印象を与えられます。
自分はどんな人間で、どんな人生を送ってきたのかについて、簡潔にしっかり話ができると、企業は自己分析ができる人だと理解しますし、その後の面接もスムーズに進みます。基本的に面接の最初の段階で聞かれるため、面接にリズムをつけていくためにも、しっかりと対策してみましょう。
この記事では、就活面接の自己紹介で良い印象を与える方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
面接の自己紹介で良い印象を与える方法
面接で自己紹介を依頼するのは基本的に「相手の情報を知りたいから」ですが、潜在的には以下のような意図があります。
自己紹介を依頼する意図
- 最初のアイスブレイクとして
- 安心して話せる人柄かどうかを確認したい
- 要点をまとめて話せる人かどうかを確認したい
- この面接の準備をしてきたかどうかを確認したい
- 履歴書ではわからない部分を引き出したい
履歴書では応募者の概要的な部分しかわからないので、自己紹介によって文字では伝わらないその人の人柄や雰囲気、仕事への意欲などを感じとりたいと思っています。
自己紹介で良い印象を与える方法をよく理解した上で、自分らしさのある自己紹介を考えてみましょう。
印象を良くする方法①第一声は元気に「はい」と返事をする
忘れられがちですが、学生生活の時も実際に仕事を始めた時も挨拶はすごく重要です。
面接官に「それでは自己紹介をしてください」と言われて、慌てて話し出す人は多いですが、まずは返事をしてみましょう。小さな声で返事をするのではなく、元気に大きく「はい」と返事をするだけでもだいぶ印象が良くなり、その後続けて話しやすいムードができます。
人の第一印象は瞬時に決定します。ある研究によると、最初の2秒で決まるそうです。笑顔かどうか、誠実そうな雰囲気かなど、深く話す前の印象の段階で決まるのです。
すぐに自己紹介の内容を話し始めるのが絶対にNGとまでは言えませんが、より面接官への印象を良くしたいなら一度「はい」と返事をした方が「きちんと受け答えができる人」といった印象を与えられます。いざ話し始めると緊張してぎこちなくなる人も、最初の挨拶が元気にできれば企業からの印象が悪くなる可能性は低いです。
印象を良くする方法②ジェスチャーは少なめにする
気持ちを表現するために、身振り手振りを使って一生懸命話す人がいます。かわいらしい印象はありますが、大げさなジェスチャーは面接の際にはNGです。
どれだけ魅力的な自己紹介をしても、ジェスチャーが不自然だと「落ち着きがない」「緊張しているのかな」と思われる可能性があります。椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばして、手は膝の上に乗せて話し始めるのが基本です。また、姿勢を正しくするとその分お腹から落ち着いて声を出せるので、良い印象がプラスされます。
印象を良くする方法③自分の魅力は最初に端的に話す
人はあまり長く他人の話を聞いていられません。自分の魅力など聞いてもらいたい内容は最初に話すことで、聞き手にも「この人の話を聞こう」という気持ちになってもらえます。魅力を伝える時でも長々と話をしないように、内容を端的にまとめておきましょう。
良い点や魅力を話すのだから時間をかけた方がわかってもらえると思われるかもしれませんが、面接官は1日に多くの人の面接を組んでいる場合も多く、一人当たりの時間枠も決まっています。
長い説明をしてしまうと「まとまりがない」「中身がない」と思われたり、焦点がぼやけて後で振り返ったときに印象に残らなくなります。
アピールしたい気持ちを少しこらえて、自身の魅力は一言二言で表現しましょう。端的に表現することが難しいと感じる場合は、後に聞かれるであろう志望動機に絡む内容でコンパクトにまとめてみてください。
自分の良さを伝える例
- 「学生時代は、○○のリーダーとして活動しておりました。いつもチームワークを大切に考えています」
- 「好奇心が強く、新しいことでもチャレンジしてみる性格です」
このくらい端的に言える方が良いですね。
なお、志望動機に絡めて話した時に、ついつい勢いで志望動機についても深く言及してしまったりしやすいので、質問以外のことは話さないように気をつけましょう。
また、「あの、その、えっと」などが口癖の人は、まとまりのない話し方に感じられるので意識的に使わないようにしましょう。
印象を良くする方法④起承転結を意識する
自己紹介を端的でわかりやすい流れを作るためには、起承転結を意識してみてください。
自己紹介の起承転結
起:自分の属性
承:学生時代の自分
転:将来の展望
結:締めの言葉
特に「転」の部分は、将来の展望といった大きなものでなくても、自分がこの先チャレンジしたい、社会でどんな役割を果たしていきたいのか、という内容でも良いです。
わかりやすく簡潔な自己紹介は、相手の心にスッと入り込んで良い印象を与えるので意識してみましょう。
印象を良くする方法⑤早口にならない
緊張したり焦ったりすると、どうしても早口になってしまう人が多いです。
早口は頭が良い印象を与えますが、聞きにくいと思われます。話すスピードは、スピーチやプレゼンで重要なポイントとされていますが、早口では相手の理解が追いつかない可能性があります。
もちろん企業側も、あらゆる話し方の人と面接をしていますが、早口で聞き取りにくいとマイナス評価をつけられやすいです。不自然にゆっくり話す必要はありませんが、丁寧に慎重に話すことを意識してください。
早いのか遅いのかわからない場合は、友人や家族の前で自己紹介を練習してみて、早口に聞こえないかチェックしてもらいましょう。
自己紹介で伝えるべき内容
基本的な学歴、特技などは履歴書に記載があるので特に自己紹介の時は言わなくてもいいだろうと思っている人は多いかもしれません。しかし、どんな場面の自己紹介でも、自分の所属や経験は端的に伝えることが必要です。
必ず伝える内容
- 氏名
- 出身大学、学部、専攻
- 学生時代に注力したこと
- お礼と挨拶
上記のような項目は、履歴書に書かれていたとしても、必ず自己紹介でも話すようにしましょう。特に氏名と出身大学は就活をしていると何度も話す内容になりますが、毎回しっかりと伝えるように意識しましょう。
自己紹介は「私はこういう者です」と名刺を渡しているのと同等の意味がありますので、必ず伝えなくてはいけない部分は省かずに自己紹介をしてください。
自己紹介と自己PRの違い
自己紹介の内容を考えていると、自己紹介と自己PRを混同してしまうケースも多いです。一見似ていますが、意味合いや質問意図は異なりますのでしっかり抑えておきましょう。
自己紹介=相手との関係を作る
自己紹介の大きな役割は、相手との関係を構築することです。
「私は〇〇大学出身の〇〇です。大学では〇〇を専攻していました〜」こうした自分の経歴から話し始めることが多いですが、まず自分を属性を明らかにすることで自分が何者なのかを知ってもらうことに加え、その話しぶりから、相手に安心感を持ってもらったり、親近感を感じてもらったりすることが目的です。
企業が「自己紹介してください」と面接の冒頭で質問するのが多いのは、そのあとの質問をする土台を作りたいという意図があります。
自己PR=自分の能力を積極的にアピール
面接では「自己PRをしてください」という質問も多いです。
自己紹介を先に済ませた後に、自己PRを求められることも多く、混乱する人もいるかもしれません。実際には、自己PRは志望動機の後に聞かれることが多く、自分にはどんな能力や強みがあるのか、企業ではどのような活躍が期待できるのかを積極的に話すことが求められます。
自己PRの際は、自己紹介で話した属性ではなく、具体的な資質や経験、スキルなどを中心に話すようにしましょう。
「自己紹介をお願いします」の回答例
ポイントは理解できても、実際にどう回答するべきなのか迷う人も多いと思います。回答例をご紹介するので、参考にしてみてください。
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「自己紹介をお願いします」
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〇〇と申します。〇〇大学〇〇学部で〇〇の研究を行っています。
学業以外では、サークルで後輩をまとめる役目をしていたので、立場の違う人と対等に話せたり、面倒見が良い性格です。
これまでの経験を活かし、〇〇職として、将来的に〇〇になりたいと感じ、御社に応募させていただきました。
本日はどうぞ、よろしくお願いします。
企業によっては「【簡潔に】自己紹介をお願いします」と言われることがあります。
グループ面接などで冒頭に長々と話す人が多いことから来る質問です。こうした場合は、あまり自己紹介に力を入れず、挨拶代わりにまずは話してみてくださいと質問している傾向があります。
必要最低限の情報と丁寧な挨拶を起承転結の4文ほどにまとめ、簡潔に自己紹介することがポイントです。
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「自己紹介をお願いします」
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〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
大学では〇〇を専攻し、〇〇検定(資格)を取得しております。他にも〇〇を学び、〇〇のインターンにも参加し、○○な経験をしてきました。
実際の企業で働いたことで、○○の分野について仕事をしたいと思ったことをきっかけに、御社に応募させていただきました。
本日は貴重はお時間をありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
応募にあたり明確な理由があった場合には、自己紹介で軽く触れてみるのも良いでしょう。学生生活として何を経験してきたのかは採用の担当者としても興味深い内容ですし、実際の企業で仕事の実体験をしている人は、話がより具体的になり伝わりやすくなります。
ここでもポイントは、あまり長く話さないことです。自己紹介は、名刺を渡しているようなものなので、長く話しても相手には伝わりません。簡単に「こんな経験があります」と伝えて、残りのアピールは自己PRの時に伝えます。
面接に1つの流れを作る意味でも、自分の経験や強みはさらっと触れておくと、その後話しやすくなります。
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「自己紹介をお願いします」
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〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇と申します。
在学中は、〇〇を学びながら〇〇でアルバイトを3年ほどしていました。
アルバイトでの経験から、接客業の楽しさと難しさを感じ、企業に就職する上では、営業部門でお客様に関わる仕事をしたいと考え応募させていただきました。
簡単ではありますが、本日はよろしくお願いいたします。
学生生活の中で、アルバイトを経験している人も多いです。社会人として働くための面接なので、実際にこういう業界でこういう経験をしたという話を添えるのも効果的です。
もしも、アルバイトの業種と応募した企業の業種が似通っているのであれば、共通点を並べたり、それを応募の動機として説明するとスムーズにつながります。違う業種ならば、共通点を探して整理してみましょう。
まとめ
面接の自己紹介で良い印象を与える方法について、ご紹介しました。
自己紹介は自己PRとは違い、相手との関係性を構築するための挨拶として、まず自分はどんな人間で、どんな経験をしてきたのか、簡潔に伝えるものだと考えましょう。
まずは見た目から、背筋を伸ばして、丁寧に話すと「しっかりしている」といった好感を与えることができます。
次に、回答例を参考にしていただきながら、自分なりの強みや経験から得たこと、応募の動機などを簡潔に添えるようにしましょう。
自己紹介と自己PRでは話す内容が似通ってきたりしますので、それぞれの質問の意図を考え、事前に内容を精査しておきましょう。
自己紹介のあとに続く質問は色々想定されますので、以下の記事でチェックしてみてください。