ITコンサルになるためには?国公立大/早慶/GMARCH/関関同立、大学別の就活戦略
国内の大手ITコンサル・SIer企業の学校別採用実績を見ると、東大・京大を始めとした国公立大学、早慶上智、GMARCH、関関同立などの有名私立大学出身者が多く採用されていることがわかります。
しかし各企業ともに、有名大学出身者であってもITコンサル・SIer業界に入社するためには非常に激しい競争に勝ち抜かなければならないことも事実です。
一方で、有名大学出身者以外や大卒以外の学歴の人も在籍しており、そのような人たちはどのような対策をして採用されたのでしょうか?
この記事では、ITコンサル・SIer業界の就活を、就活生の学歴という切り口で解説していきます。
入社実績、合格率からわかる就活の事実
冒頭で述べたとおり、野村総合研究所やNTTデータのような人気企業は国公立大学や有名私立大学の入社実績は多いものの、有名大学であれば楽に入社できるわけではなく、逆にそれら以外の学校出身者でも当然努力は必要になるが入社できないわけではない、ということがわかっています。その実情について少し話してみたいと思います。
高学歴だからといって簡単に受かるわけではない
国公立大学、有名私立大学の合格率が高いことは、各大手企業が発表している「(過去3年間における)新卒者採用者数」の各大学出身者の割合を見れば一目瞭然です。
例えば野村総合研究所の場合、2021年春の新卒者採用人数は393名と発表していますが、大学通信オンラインによると、そのうち約8割の人が名の知れた大学出身者や、いわゆる「高学歴」と呼ばれる人たちであることがわかります。
また国公立大、有名私大の場合は入社実績以上に書類合格率が高いということも事実として存在します。
大手企業の中には、多数の応募に対して少ない人員で膨大な業務を回しているためにすべての書類を隈なくチェックしきれず、また説明会や選考のために稼働できる時間が限られている場合もあり、書類選考の時点で自社の採用実績に基づき、大学ごとにセミナーや選考への呼び込み人員を限定しているケースもあります。
やはり有名大学に通っていると圧倒的に有利なのでは?と思えてしまいますが、有名大学の場合は在校生の人数も非常に多く、また就職希望先が人気企業に集中するため、同大学内でも熾烈な競争があります。
さらにここ10年以上の間、ITコンサルの就活現場で見られる傾向として、大学が有名だったり、大学での成績が優秀だったり、コミュニケーション能力が高い人たちが必ずしも沢山合格するわけではないということがあります。詳しくは当サイトの編集者プロフィールに関する記事の終盤、「振り返ってみると」を読んでいただけるとよくわかると思います。
近年伸びている企業ほど学歴を参考にしない、独自の選考基準を持つことも増えてきました。最近では、入社後の仕事目線で短期的、長期的に発揮される能力を持っているかを見るケースも増えており、逆に高学歴であればあるほど、その学歴を鼻にかけていないか等、どのような人物なのかをシビアに見られることもあります。
有名大学卒でないと受からないわけではない
マイナー大学出身者の合格者全体に占める割合は少なくなりがちですが、有名な大学を出ていないと大手企業に受からないわけではありません。
職種によっては応募要件として「高専卒以上」などと絞っている場合もありますので、全ての企業、全ての職種がその限りではないですが、基本的には誰にでも選考を受ける権利があり、またきちんと入社できる人がいます。
外資系企業では総合職採用ではなく職種別採用が進んでいますので、すでに大卒資格を必要としないポジションを多数用意していますし、実際に高専や単科大学出身者も多く内定を取得しています。特にIT系企業は多くのエンジニアを採用していますが、外資系企業の面接は日系企業のそれとは異なり、志望動機といったふわっとした内容ではなく、実際にどのくらいコードが書けるのか?基本的な演算能力、科学的なものの見方はできるのか?英語は話せるのか?といった実務レベルが重視されることも多いです。また日系のITコンサル・SIer企業でも、職種によってはかなり広い応募要件で募集をかけていることもあります。
偏差値の高い大学を出ていないから、大卒ではないから、と諦めるのではなく、入社実績や要件を確認して、必要なことを準備することを是非始めていただきたいと思います。
各大学の就活
前提について整理できたところで、これより学歴別に分け、それぞれに合った効果的な就活方法について解説します。
別の記事(面接対策)でも解説していますが、合否を決めるポイントとして下記のようなものがあります。
就活の合否を決めるポイント
- 日々の充実
- 自己分析、業界分析
- ゼミ・研究室の選択
- インターンの活用
- OB・OG訪問
- 企業研究
- 履歴書・エントリーシートの準備
- 面接練習
- 基本的なマナーの確認
これらはすべて大事なポイントですのでいずれも漏れなく準備する必要がありますが、実は学校ごとに準備や対策がやりやすいものとやりにくいものがあります。つまり、学校に「おすすめの就活」が存在しているのです。詳しく見ていきましょう。
国公立大生、有名私立大生の就活
前述した合否を決めるポイントのうち、国公立大生、有名私立大生が活用しやすいポイントは下記のとおりです。
国公立大生、有名私立大生が重視したいポイント
- ゼミ・研究室の選択
- インターンの活用
- OB・OG訪問
- 履歴書・エントリーシートの準備
国公立、有名私立の場合、ゼミ・研究室の選択は非常に重要です。必ずしも就活を目的とした選択をするわけではないですし、また入るための難易度が高いところも多いと思いますが、そもそも国公立大、有名私大の場合は優秀な人、教授がいるゼミ・研究室も多くあり、所属して活動をともにするだけで他大学では得られない貴重な経験ができるケースが多くあります。
他にも有名なゼミや研究室であれば入社希望先の先輩社員が在籍していたことがあったり、担当教授の繋がりもあると思いますので、そのような意味でもゼミ・研究室の選択、活用には大きな意義があると思います。
そしてインターンの活用も重要です。インターンの場合、本選考よりも必要書類、必須記載項目が少ない場合があり(もちろん本選考同様の場合もありますが)、学歴が有利にはたらく場合もあるので、積極的にインターンを活用すべきだと考えます。
次にOB・OG訪問ですが、ここまでに書いたゼミ・研究室の選択やインターンの活用をしていれば、それがそのままOB・OG訪問のしやすさにつながっていきます。優秀な国公立大卒の人たちとすぐに、かつ直接繋がることができるのはまさに同輩ならではの良さなので、どんどん自分と同じ大学の諸先輩方と出会ってその考え方や働き方をインプットし、自分事としてアウトプットできるようにしましょう。
国公立、有名私立の場合、まずは学生の本分である勉学、研究、ゼミや、そこから派生する活動を中心に組み立てることで、履歴書・エントリーシートの内容が充実し、同じ有名な大学にいるだけで何もしてこなかった人たちとの大きな差を生むことになります。
国公立大生、有名私立大生以外の大学生、大学生以外の就活
前述した合否を決めるポイントのうち、国公立大生、有名私立大生以外の学生が活用しやすいポイントは下記のとおりです。
国公立大生、有名私立大生以外の学生が重視したいポイント
- 日々の充実
- OB・OG訪問
- 企業研究
- 履歴書・エントリーシートの準備
- 面接練習
学歴に不安がある場合は、学歴以外の実績で勝負しましょう。学歴以外の実績とは何かと言うと、それは「日々の充実」に他なりません。
大学によって多少は書類通過率や前述したような同輩であることを活用した有名大学生出身者同士のつながりなども活用できますが、それらはあくまできっかけに過ぎません。最終的に合否を決定するのは面接ですので、それらの機会の多い少ないにかかわらず、日々学業に励み、学生生活でしかできないような色々な経験をすることが重要でしょう。
それらに加えて自身と同じような立場で選考に合格し、入社した人たちの話を聞くことも大いに助けとなるでしょう。自身と出身校が違うなど境遇が異なっていた場合でも、その経験から学べることは多くあるはずです。OB・OG訪問を始めるときは、自分と似たような境遇の先輩を探すこともポイントです。
それらの行動を通して得られた経験を、細部までこだわって文章にし、それが伝わるように履歴書・エントリーシートに記載すれば、合格はググっと近づくことになるでしょう。
また、企業研究をしっかりと行ってください。有名大学であろうが無名大学であろうが、面接官として内定が出せない理由に「自社のことを勉強していない」というものがあります。いくらその学生が優秀でも、自社のことを知らないで入社するとその後ギャップで辞めていく可能性も高くなることから、自社のことを十分に研究し理解している学生に内定を出す傾向があります。
学歴に偏見を持って接してくるような企業ではなく、経験と可能性を見てくれるような企業には、適切な就職活動と企業研究を行っていれば必ず出会うことができます。日々を充実させることと同様に、就活が本格的に始まる前から各企業の就活情報をチェックしておくことおすすめします。
まとめ
以上、大手IT企業、SIer企業が採用している学校の実績や就活の現実、学校ごとの大事な就活ポイントについてみてきました。
本気でそれらの企業に内定をもらい、仕事をして活躍していきたい場合には、ぜひ自身の在籍校ごとに活用できるものは活用し、また必要なことは経験しつつ、何よりも大切な日々の充実ができるようにできることからチャレンジしてみてください。
また、就活はタイミングも重要です。企業も通年採用を進めていますので、早く始めて有利に進めましょう。