ITコンサル・SIer企業の面接でよく聞かれる質問と回答例ベスト10!
ITコンサル・SIer企業の面接を突破するには、十分な対策が必要です。
企業によってはいわゆる「なぞなぞ」のような突飛な質問をしてくる場合もあり、それらに回答するためには日頃から柔軟な発想をもち、多彩な経験をすることが必要となるでしょう。
しかし、そうした特別な質問に特化して対策をすることはそこまで重要ではありません。むしろ、この業界でよく聞かれる質問にきちんと答えられるようにすることが重要なのです。
ここでは一緒に、ITコンサル・SIer企業でよく聞かれる質問と回答例について見ていきたいと思います。
面接でよく聞かれる質問ベスト10
ITコンサル・SIer企業でよく聞かれる質問と回答例をベスト10形式でまとめてみました。
よく聞かれる質問ベスト10
1位 IT業界を志望する理由は何ですか?
2位 当社の志望動機は何ですか?
3位 自己紹介をお願いします
4位 IT系の勉強をしていますか?
5位 学生時代に頑張ったことは何ですか?
6位 当社で実現したいことは何ですか?
7位 長所と短所を教えてください
8位 人生における失敗(または成功)について教えてください
9位 周囲からはどのような人だと言われますか?また自分ではどのような人だと思いますか?
10位 最近興味がある技術やニュースは何ですか?
質問の中にはこの業界に限ったものではない、極めて一般的な質問もあります。その一般的な質問に関してはITコンサル、SIer志望者としてどのように答えるか、を見ているわけですから、そのことに留意して自分の経験を振り返り、回答を整理しておきましょう。
ITコンサル・SIer業界の面接官が見ているポイント
質問と回答例について見る前に、人事や面接官の方がどのようなことを見ているかについて理解しておく必要があります。ITコンサル・SIer業界を志望する場合、特に下記の7つは押さえておきたいところです!
面接官が見ているポイント
・第一印象
・コミュニケーション能力
・論理的思考力
・熱意
・(ポジションに合致する)スキルおよび経験
・計画性
・一貫性
これらのポイントを理解したうえで回答をまとめておけば、あらゆる面接において的確に答えることができます。
それでは以上を踏まえたうえで、よく聞かれる質問とその回答例を見ていきたいと思います。
1位 IT業界を志望する理由は何ですか?の回答例
-
IT業界を志望する理由は何ですか?
-
ITコンサルタントとして、金融業界全体の業務改善に携わりたいと考えているからです。
私は将来、自身のスキルを発揮することによって、世の中に大きな影響を与えられる仕事をしたいと考えております。現在私は所属する情報学部にて様々なIT技術を学んでおり、またこれまでIT企業のインターンにも数多く参加してまいりました。その中でも特にITコンサルティングのポジションが自社、またお客様の経営に近い目線で仕事を行い、自身の働きが世の中に直接的な影響が与えられることを強く感じたため、ITコンサルタントを志望することにいたしました。
また私は高校時代から地元の地域活性化のイベントプロモーションに参加し、その中で銀行とのやりとりやお金の管理業務を担当しておりました。それがきっかけで世の中のお金の動きについて関心を持ち、また金融業界への興味や関心が深まったのですが、同時に業界全体の業務プロセスに課題があることを感じるようになりました。
先日参加した御社のインターンにて、まさにそのような課題解決が最先端のIT技術によって、御社のITコンサルタントの人たち主導で為されていることを知り、そのような仕事をしたいと考えた次第です。
第1位はなぜITコンサル、SIerで働きたいのかを問われる質問です。IT業界の志望動機をぼんやり聞かれているわけでもなく、またこの後に続く「企業」の志望動機とは異なることに注意しましょう。
ITコンサルの仕事内容を理解しているか、特にどの領域のコンサルがやりたいのか、志望するに至った経験や思いがあるか、そこには説得力があるか、などのポイントを見られていますので、きちんと自己分析を行い回答できるようにしておきましょう。
また以下の他すべての回答例でも同じことが言えますが、「結論→理由→具体例や補足→再度結論」という流れで回答できる癖をつけておくと、伝わりやすい回答となります。
2位 当社の志望動機は何ですか?の回答例
-
当社の志望動機は何ですか?
-
御社が金融業界全体の業務改善をリードしていると感じたからです。
同業他社にない御社の優位性として、「長年の積み重ねによって作られた大手金融機関との強い関係性」「流動的な人員配置」の2つが挙げられると思います。
私は、業界全体を変えていくためには大手金融機関に対等な立場で意見ができることが必要だと思っており、御社であれば先に挙げた2点を武器にそれが実現できると感じております。
さらに先日ホームページで発表されていた最新技術活用による大手金融機関との新プロジェクトを開始されたように、常に新サービスを創出することを絶えず続けていらっしゃる姿勢にも共感しております。
先に挙げた業界、職種の志望動機とほぼ同じなのですが「面接を受けている企業と他社との違いを理解し、そのうえで当該ポジションを目指している理由」を話す必要があります。
募集企業の優位性を明確にし、求められることに関連した自身の経験を抽出することが肝心です。
また企業理念や姿勢、社員の考え方に共感していることに触れることも大切です。もしインターンに参加したりOB/OG訪問を行っていた場合、そこで得られた情報をもとに回答を構築するのも大変有効な手立てとなります。積極的に活用していきましょう。
3位 自己紹介をお願いしますの回答例
-
自己紹介をお願いします
-
○○大学○○学部4年の●●です。
大学では●●研究室に所属しており、暗号理論、クラウドサービス、ITセキュリティなど安全な社会実現に関わる技術研究をしています。
最近では大学の協同研究所という取り組みで、大手電機メーカーとともに暗号理論を活用した新サービスの開発プロジェクトに参画し、貢献しました。
学業以外では、所属しているクラシック音楽サークルのサークル長として活動しており、隔月で行っているコンサートのバンドマスターを務めております。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。
自己紹介は選考の最初に聞かれることが多い重要な質問です。
所属大学、所属学部、所属ゼミ(あるいは研究室)、学習内容を軸に紹介した後、サークルやアルバイトの活動にも軽く触れておくとよいでしょう。これらに加えて自身の性格に触れてもよいですが、それらは後の質問の中で聞かれることもありますし、またその話しぶりで伝わることでもあるので、取り立ててアピールしたい場合以外には言う必要はありません。
とにかく大切なことは端的にハキハキと話し、お礼や以上ですの言葉でしっかりと締め、全体を30秒~1分程度にまとめる、ということです。1分以上かかるような自己紹介は内容を見直すべきです。
4位 IT系の勉強をしていますか?の回答例
-
IT系の勉強をしていますか?
-
はい。大学では 主にC++ とJavaについて勉強しております。その他にも自身ではJava、Pythonなどの言語も学び、友人とともに全国の不動産価格を国交省のデータと紐づけて割り出すサイトを作る際、機械学習のアルゴリズムを書くために活用したことがあります。
こちらは素直に自身が勉強してきたことを伝えるべきですが、もちろん募集企業で求められる方向性と似たようなものを抽出して話せるようにしましょう。必要のないスキルを長々と語ったり、プロである社員の人たちに対して付け焼刃の学習内容を伝えたりすることは逆効果です。
なお、もし工学部や情報系以外の学部に所属していて開発言語に触れたことがない場合も、IT関連の分野で自身が関心を持ち学んでいることをしっかりと話せるようにしておきましょう。選考を受ける企業の関連技術であり、ちゃんと興味を持って勉強したことが伝われば、短期間であっても問題ありません。
5位 学生時代に頑張ったことは何ですか?の回答例
-
学生時代に頑張ったことは何ですか?
-
私が学生時代に頑張ったことは、自ら音楽祭を主催したことです。
私はサークルでバイオリンをやっており、全国規模のコンサートで入賞する実績もあったのですが、大学ではコロナウイルスの影響による規制のためなかなかコンサートが開催ができず、開催できたとしても無観客でオンライン配信をするほかありませんでした。
バイオリン演奏の一番の魅力は観客の方に直接目と耳で音楽を感じてもらうことだと考えていたので、何とか直接お客さんがいる場で演奏したいと思い、学外でコンサートを開くことを決意しました。
予算がなかったため、初期費用をできる限りおさえて開催できることが条件だったのですが、まずこの環境下で楽器演奏が可能な場所を探したところ、隣町の商業ビルのイベントスペースがイベント再開時期を検討しているという情報を見つけ、その管理者の方に直接連絡を取り、自身の実績と出演料が必要ないことを伝え、企画の開催許可をもらうことに成功しました。
演奏者に関してはサークル仲間だけでは同意者が少なく、また集客が見込める有名人を仲間に入れたいという考えから、この環境でオンライン配信を余儀なくされている地元でファンがついているアーティストをSNSで探して10人以上の方にメッセージを送ったところ、うち3名の方が返事を下さり、私の取り組みに共感をしてもらって、しかも無償で出てくださることになりました。
結果的にそのうち1名の方が地元では大変有名な方だったこともあり当日の集客も上々で、1日で500名が来場する大盛況で終えることができました。なおその企画は今でも学生×プロのコラボコンサートとして、その街の名物となりつつあります。
この質問は学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」を問われていますが、ポイントは「他の人とは違う視点、発想があるか」「頑張った結果達成できたか、変化が見られたか」「自発的に取り組んだものか」などが含まれており、そして、「その行動や姿勢が、応募しているポジションで活きるか」が見られています。
特にITコンサルやSIerの場合はクライアントの課題、予算、実現したいこと、そのリスクなどを把握しながら企画を実行していく必要があるので、その進行プロセスに近い経験を探すとよいでしょう。
6位 当社で実現したいことは何ですか?の回答例
-
当社で実現したいことは何ですか?
-
私が御社で実現したいことは、安全な世の中づくりです。
私は人々が安心して暮らせるような世の中を作りたいと思っています。学生時代も、サークル活動やボランティア活動の中で、何か困ったことがある人に対して自らが積極的に関わることで、その人を安心させることに喜びを感じてきました。私は自身が関心のあるIT業界においても、このマインドを忘れないようにしたいと思っています。
今、世の中には最新技術が活用されたサービスが多数ありますが、安全面には十分な注意が当然となっており、こと金融関連のシステムであれば尚更です。御社のサービスは、そのような安全面の対策に重きを置いた体制で行われており、特に各プロジェクトのリーダーはその体制を引っ張っていく存在だと認識しております。
私は是非そのリーダーとなって、お客様の基幹システムの全体的なコントロールをしながら、安全に徹底的に考慮した仕組みづくりを行っていきたいと思っています。そうすることで、安全な世の中づくりに一歩でも近づけるような仕事をしていきたいです。
1位や2位の質問と同様に「何をしたいのか」を問われていますが、この質問では「なぜそれをしたいのか」「どのように実現していくのか」ということに重点が置かれています。具体的な動機や経験を話すことはもちろん、理想とするキャリアについて語ることも求められています。募集職種のキャリアステップについても理解しながら、自分なりの将来像を語るとよいでしょう。
7位 長所と短所を教えてくださいの回答例
-
長所と短所を教えてください
-
私の長所はチャレンジ精神です。人がやったことがないこと、前例のないことにチャレンジすることが好きで、また結果を出すことができます。サークル活動のメンバー募集についても、従来とは毛色の違うメンバーが欲しいというサークル内の課題に対して、従来の手法ではなく他サークルとつながりを持ち音楽の経験がある人とつながりを持ったり、SNSで同大学内の人に呼びかけていくなどの手法を初めて試し、結果的にこれまでのサークルにはいなかったような個性的なメンバーを集めることができました。
反対に私の短所は心配性なところです。大学の課題など期日が設けられているものは入念な準備をして、余裕を持ったスケジュールで取り掛かることにしています。ただ、心配症であることが伝わってしまうと周囲も不安にしてしまうので、なるべく心配している様子は出さないように気を付けています。
この質問では、人柄や客観性を含めたコミュニケーション能力を問われています。長所を偉そうに語るのもダメですし、短所をそのまま伝えればいいというものでもありません。
長所では自分を客観的に見て、その企業が求めている人物像に近いことを示すエピソードを、短所は短所を長所に変えるような考えや行動ができたエピソードを、それぞれ求められているのです。
またいずれも複数挙げられる人もいると思いますが、主に1つに絞っておきましょう。特に短所は上記の点を踏まえ、たとえ事実だとしても聞き手が聞いていてどうしようもなくなるエピソードは封印しておいた方がよさそうです。
8位 人生における失敗(または成功)について教えてくださいの回答例
-
人生における失敗(または成功)について教えてください
-
私の人生における失敗は、飲食店のアルバイトでの巨額の発注ミスです。
店舗のリニューアルを迎えるにあたって、店舗内に備える什器の発注をアルバイト主任である私が任されていたのですが、本来必要なものとは異なる、名前がよく似た什器を発注してしまいました。金額も100万円以上する高価なものだということもあり、発注前には店長に事前の確認もしていただきましたが、依頼から納品までを口頭のみで行い、実際に画像や伝票などを共有しなかったことが大きな原因だと振り返っております。
結果的には他店でそちらを活用できることになり事なきを得たのですが、すべての確認プロセスについて徹底出来ていなかった私の責任だと反省し、その後同じようなことがあった時には店長だけではなく副店長にも確認するという人的要因の見直しと、また口頭ではなく必ずメールで文面を残す方法で伝達するというコミュニケーション要因の見直しを図ることにしました。
その一件以降、私は全国100店舗以上あるそちらのアルバイト先において唯一2年連続でノーミス表彰を受けるなど、社内でも模範的な働き方ができることになりました。
この質問では、失敗をどう乗り越えるかを問われています。過去の失敗そのものについて、その克服や改善をどのように行ったか、それらを全体としてどう捉えているかを問われています。
人間誰しも失敗はつきものですし、社会人になった場合にもそれは変わりません。ただその失敗に対して、それまでの経験を踏まえて未然に防ぎ、また時には失敗を素直に認めながらしっかりと乗り越えていく力がある人が優秀であり、企業に求められる人材です。
特にITコンサルタントとしては、他社の失敗についても同じような姿勢で臨む必要があります。人々がおかすあらゆる失敗のよき理解者、解決者としての振る舞いが求められることを意識しましょう。
9位 周囲からはどのような人だと言われますか?また自分ではどのような人だと思いますか?の回答例
-
周囲からはどのような人だと言われますか?また自分ではどのような人だと思いますか?
-
私は周囲の友人からは大変明るい性格だと言われます。実際に集団の中に入るとその場の中心になって皆を盛り上げることが多く、また個人で接する場合も雰囲気を明るくするように努めて話しているように思います。
自分で明るい性格だとは思っておらず、むしろ明るくすることができる人だと、空気を変えられる人だと思っています。誰かと会話をするときは、コミュニケーションが円滑に進むようにその場の空気を明るくしたいと思う気持ちが強くあるため、先に述べたような行動をとるのではないかと考えております。
他の質問同様に、こちらでも客観性が問われています。
周囲から、自分では、と異なる聞き方をされるのは、周りからこう見えていることを自分ではどう思っているのか、あるいはその逆について、それぞれ「客観性」をもった見方ができるかを確認されているのです。
ITコンサルタントは、特にクライアントの課題やミッションに対して客観性をもって臨むことが大事になってきます。日ごろからそのような視点をもつように行動しておきましょう。
10位 最近興味がある技術やニュースは何ですか?の回答例
-
最近興味がある技術やニュースは何ですか?
-
私が興味を持っているのは「大手銀行のシステム障害」についてです。
直近で起こった障害の後、銀行側はすぐに手を打つべき改善策として、勘定システムそのものの見直しではなく運用を見直していくと話していました。
確かに今回の原因となった運用や監視体制を見直せば一時的には改善できるかもしれませんが、障害が起きたシステムそのものの品質向上なくして、今回失った顧客の信頼の回復や、より満足度の高いシステムの提供はできないのではないかと思いました。
私はこの一件から、世の中では大なり小なり同じような課題を抱えている企業が多くあると思いました。
御社がまさに今実行されている通りですが、私はITコンサルとしてシステム改善に向けた提言と仕組みづくりに、事業背景や人事など顧客の背景も踏まえた総合的な視点を身につけたうえで対応していきたいと感じた次第です。
この質問に回答するためには、身の回りの技術、および技術に関連したニュースを収集しておく必要があります。
ただし!流行りの技術や話題のニュースを、考えもなく取り上げることは気を付けてください。取り上げたもの自体に技術者として興味があるのか、その将来の動向に興味があるのかなど、どの部分に関心を持っているのかをはっきりさせ、ある程度自分の思いを語り、相手の共感を得る必要があります。
第10位ということで他の質問よりも質問機会は少ないかもしれませんが、ITコンサルタントの資質が問われる質問の一つではあります。しっかりと準備をしておきましょう。
まとめ
ITコンサル・SIer企業でよく聞かれる質問と回答例をベスト10形式で見てきました。
冒頭にも書いた通り、突飛な質問への回答を準備するのではなく、まずはここに挙げられたものについてしっかりと準備をしておくことが合格への近道です。なお、文中で「大手メーカー」など実名を出していないものもありますが、実際には実名で伝えてしまって構いません。なるべく素直に、具体的に、伝え方を意識することが大切なのです。
また、回答については一人で準備してもよいですが、出来上がったものの確認やそれを伝える練習は、是非誰かに聞いてもらい、フィードバックをもらう形で行うようにしましょう。自分では上記に沿って作ってみたつもりでも、他人からすると違ったように聞こえたり、内容はしっかりしていても熱意が感じられない、ということがあるからです。
比較的選考ハードルが高く、論理的思考力が問われるITコンサル・SIer企業の選考ではありますが、日々の経験の積み重ねと回答練習の繰り返しは裏切りません。是非、自分を信じて継続的に挑戦してみてください。